日の丸ユーロファイターを飛ばせ!



 防衛省は去る9月26日、航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)に関する募集をしめ切った。
 FXとしては、米英などが国際共同開発中のF35と、米国製のFA18、欧州共同開発のユーロファイターの3機種が応募した。防衛省は、このFX候補から年内に1機種を選定し、2012年度予算に数機分の調達経費を計上すると言う。(http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110926/plc11092612000012-n1.htm
 一方で、三菱重工業がF2戦闘機の生産を終了したことも報じられた。FXの機種選定が遅れているため、この生産終了によりF86戦闘機以来続いてきた日本国内の戦闘機生産が途絶えてしまったそうだ。(http://www.asahi.com/business/update/0927/NGY201109270008.html
 戦闘機は軍事力の要(かなめ)である。これが国内生産出来ないということは、国力維持の観点から見ても一つの危機のサインである。国内における戦闘機生産能力は何としても存続させたい。ところが、FXとして有力視されてきたF35に関しては、機密部分が多くライセンス生産の見込みは薄く、認められたとしても機体の組み立てなどに限定される可能性が高そうだ。
 そうなると、国内の戦闘機製造能力が継承されずに完全に消滅する可能性がある。するとどうなるのか?
 最近、米国が中国への配慮から、F16戦闘機新型モデルの台湾へ売却を見送ったとの報道があった。(http://sankei.jp.msn.com/world/news/110916/amr11091616400009-n1.htm
 米国は手強い「パートナー」として中国を重視しつつあり、中国と交渉する目的で台湾や日本へ提供する「兵器」を取引材料として利用していると見られる。日本がFXとして購入を強く希望したF22ラプターの売却を、米国内の事情で不可能にされたのも、あるいは中国を刺激しない為の米国の外交的な深謀遠慮であったかもしれない。
 こうした事を考えれば、日本国内における戦闘機生産能力の継承は、国家の主権維持の為にも是非とも必要なことだ。その目的に最適なFXが、実は欧州が共同開発したユーロファイターなのだ。

 ユーロファイターはF35のようなステルス機ではないが、可変カナード翼を備えたその姿は、かつて日本が独自開発を構想した国産FSX機とも重なる、堅実な設計と先進性を兼ね備えた実用的な戦闘機だ。
 何より重要なのは、このユーロファイターに関しては、ブラックボックス無しの国内ライセンス生産を欧州メーカーが認めていることだ。戦闘機の開発は、何の経験も無しに出来るものではない。日本は将来の実用化を目指して独自の戦闘機開発も細々と進めているが、その実現には、国内での戦闘機生産能力の維持も必要だ。
 日本の空を守る戦闘機が、米国と中国の取引の駒にされるリスクを避ける意味でも、日の丸ユーロファイターを飛ばすべきでは無いだろうか。
 
 
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