ヒ素紛失騒ぎ、九大准教授の自殺
九州大学生物環境利用推進センターの佐伯和利准教授(47)が11日朝、福岡市中央区鳥飼1丁目の自宅マンション駐車場で亡くなっていたことを受け、九大は「コメントは控えるが、今後、警察の捜査に協力し、ヒ素紛失問題の調査は続ける」と話した。(http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/267873)
福岡県警によれば、11日午前7時5分ごろ、福岡市中央区鳥飼1丁目のマンションで「駐車場に男性が倒れている」と住民から110番通報があった。マンション7階に住む佐伯和利准教授が頭から血を流して倒れており、間もなく死亡が確認された。自室前の通路に脚立があり、パソコンに遺書のような書き込みがあったという。飛び降り自殺したとみられる。
准教授はセンターの実験室で瓶入りのヒ素を使い、紛失に気付いたとして今月届け出た。その後、実験室から似た瓶が見つかり、九大は勘違いだった可能性があると発表していた。
「どうしてヒ素が見つかったのに自殺?」
ネット上では、次のような推理もあった。
「准教授を妬む誰かが砒素を盗みいやがらせ。准教授は実際に砒素がなくなっており届出る。騒ぎになったところで犯人はそっと戻しておく。准教授の勘違いということで責め立て追い込む。紛失だけだと犯人がいる窃盗になってしまうが、元からそこにあったと思わせれば准教授だけのミスになる。准教授は自分だけが経緯を知ってるが、誰も信じてくれないので追い込まれた。」
あるいは、別の推理として、准教授自身がヒ素を盗んだ犯人で、事件が大きくなり、言い逃れができなくなった、とするネット上のコメントもあった。死者を貶めることになるが、そういう自殺の理由は、良く聞く話であり、あり得る事かもしれない。
この事件は、ごく普通の事件で、どのコメントも要らぬ詮索なのだけれども、准教授の自殺の衝撃が大きいため、注意を引いているようだ。しかし、既に当人がお亡くなりになられているから、真相は永遠に不明であろう。
ただ、言えるのは警察と大学、そしてこの准教授の立場それぞれに対立があり、大きな軋轢があったと推測されることだ。准教授に落ち度があったか無かったか、それは分からない。兎に角、激しい軋轢があった。それ故、准教授は、精神的に疲弊したのだろう。
警察は紛失事件の当初、恐らく、この准教授を犯人と疑っただろう。それから、ヒ素が見つかった時、大学は准教授一人の勘違いにしようとしただろう(泥棒が居れば大学の名誉は傷付く)。いずれの組織も准教授を守ろうとはしなかった。
組織の圧力の前に個人が一人で晒されたとき、自己を保って戦うには、本当に強い精神力が居る。我々もまた、いつ何時、その様な立場に立たされるかわからない。だが、自己を信じることが出来るならば、大きな組織に対してでも、立ち向かう事が出来るはずだ。
安易に死を選んでも、日本は少しも良くならない。
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