「もんじゅ」の必要性


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 第二次世界大戦における日米の戦いは、エネルギー資源を巡るものであった。石油を自給できなかった我が国は、米国主導のABCD包囲により石油供給の道を断たれ、やむなく米国との戦争に突入したのである。
 その経験を踏まえ、戦後、なるべく石油に依存しないエネルギー体制の確立を目指し、取り組んできたのが我が国の原子力開発であった。そして原子力をより有効に利用する技術が、高速増殖炉である。では、高速増殖炉によって何が実現されるのか?
 核分裂を起こしやすいウラン235は、天然に存在するウランの0.7%程度に過ぎない。天然ウランの約99.3%は核分裂をほとんど起こさないウラン238である。そのため、軽水炉のエネルギー源として殆ど利用できない。しかし高速増殖炉によってウラン238をプルトニウムに転換すれば核燃料サイクルが実現し、理論上ウラン資源の約60%をエネルギーとして使用することが出来るのだ。
 即ち、高速増殖炉によって、貴重なウラン資源の利用効率を、飛躍的に高くすることができるのである!
 しかし、高速増殖炉に関し、先般行われた政府の行政刷新会議は「提言型政策仕分け」の中で、存廃を含めた抜本的見直しを要請した。
 これに対して、先日の読売新聞社説は次のように述べた。

『次世代の原子炉を目指す高速増殖炉もんじゅ」について、政府の行政刷新会議が、計画存続の是非を含め、抜本的に見直すよう提言した。
 刷新会議が20日に始めた仕分け作業で、与党議員ら7人の仕分け人が、「これまでに1兆円以上の予算をつぎ込んだが、何の成果もない」などと主張した。
 だが、わずか数時間の議論は事業予算の効率的な使い方が焦点となり、技術的な検討も、長期的なエネルギー政策の観点からの検証も、ほとんどなかった。
 東京電力福島第一原子力発電所事故後の「脱原発」の風潮を踏まえたパフォーマンスと言われても仕方があるまい。
 「もんじゅ」は1994年に運転を開始して以来、「ナトリウム漏れ事故」などで、ほとんど停止している状態だ。維持費だけでも年に200億円程度を要する。
 研究開発を担うのは、独立行政法人日本原子力研究開発機構だが、公的な研究組織ゆえに緊張感を欠いてこなかったか。経費の無駄はなかったか。仕分けで、そう指摘されたのは、もっともだ。
 しかし、日本が高速増殖炉を推進してきたのは、ウラン資源の有効活用を目指しているからだ。今の原子炉では燃やせないウランを燃料に変えられる。資源に乏しい日本の将来を見据えている。
 中国、インドなども同型の原子炉を開発中で、中国は今夏、実験段階の発電を始めている。国際的な研究開発拠点として、欧米からは、日本の「もんじゅ」の安定運転に関心が寄せられている。
 こうした経緯や動向を考慮しないのは問題だ。
 原子力政策については、政府のエネルギー・環境会議や原子力委員会などが、来夏を目途に見直している。「もんじゅ」も、その中で位置づけられるはずだ。
 長期的観点で原子力を議論してエネルギーの最良の組み合わせを決める必要がある。
 だが、枝野経済産業相は、仕分けの場で、原発の全研究費を再生可能エネルギーの研究に投じれば電力はまかない得ると述べた。今の技術水準からは容易なことではない。無責任ではないか。
 今回の仕分けは「政策提言型仕分け」と銘打たれている。原子力政策からは、「もんじゅ」のほかに核融合の研究開発なども対象とされた。だが、やはり、予算の効率化に終始した。
 重要政策は、多面的な論議を経て決められるべきものだ。仕分けには限界がある。』(http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20111121-OYT1T01344.htm

 技術的問題は、いつか克服可能である。確かに「もんじゅ」は事故続きであった。それについては、関係者は猛省すべきだろう。事業継続に人心刷新が必要かもしれない。
 だけれども、必要なのは抜本的見直しではなく、「もんじゅ」の現場で、その実現に情熱を傾ける事の出来る、強い意思を持った人物なのだ。何が何でもやり遂げる意志を持った精鋭の集団、それこそが今、「もんじゅ」が真に求めているものだ!

電気事業連合会八木誠会長(関西電力社長)は25日の定例記者会見で、政府の行政刷新会議(議長・野田佳彦首相)の「提言型政策仕分け」で高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)に対して「抜本的見直し」の提言があったことについて、「高速増殖炉サイクルは長期にわたってエネルギーの安定供給をするという観点から、我が国においては大変重要な技術」としたうえで「長年蓄積してきた技術や人材を見直しで失い、高速増殖炉サイクルの開発工程に影響を及ぼすことは回避していただきたい」と述べた。』(http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381949EE0E7E291E18DE0E7E3E3E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2

 我が国は脱原子力の前に、脱石油を目指して来た。
 それは、第二次世界大戦での苦い経験による。その事を忘れ、一時のパフォーマンスで、長年取り組んできた高速増殖炉の実現と言う国家戦略を、ポイと、簡単に捨てていいものか?
 これは将来の国家存亡を掛けた、国家戦略に関する問題である。後ろ向きの議論は、そろそろ止めにして貰いたいのだ。


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