鳥インフル研究、兵器転用を憂慮し、60日間停止

『東京大医科学研究所の河岡義裕教授ら日米欧などの科学者39人は20日、強毒性の鳥インフルエンザウイルス「H5N1」に関する研究を自主的に60日間停止するとの声明を米科学誌サイエンス(電子版)と英科学誌ネイチャー(同)に共同で発表した。
 H5N1の研究をめぐっては、「生物テロに悪用される」との懸念から、両誌が河岡教授ら2チームの論文の掲載を見合わせる事態に発展。研究とテロ防止のあり方をめぐって、論争となっていた。
 声明には、河岡教授や、もう一方の論文を書いたオランダ・エラスムス医療センターのほか、日本の国立感染症研究所の研究者などが名を連ねている。
 声明では、「ウイルスの研究は流行予防や治療薬開発に欠かせない」として、テロ防止と研究者の情報共有を両立できる仕組みを停止期間中に早急に作るよう各国政府に求めた。科学界では、今も厳重な対策が講じられているとの理由で研究継続を主張する声が強かったが、研究室から危険なウイルスが逃げ出すことを懸念する声が高まったことを考慮、停止に踏み切った。(2012年1月21日 読売新聞)』(http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120121-OYT1T00360.htm

 科学技術の発達。それは人類に福音をもたらすが、同時に災厄を招く事もある。ウイルス学の分野に於いては、リバースジェネティクスという技術の発達により、人工的に改変したウイルスが自在に作られるようになっている(https://aspara.asahi.com/blog/science/entry/MmtS0Bq3vQ)。生ワクチンの製造技術は、そっくりそのまま、ウイルス兵器の製造技術に転用できる。二つの技術の違いは、弱毒ウイルスを増やしてワクチンとするか、強毒ウイルスを増やしてウイルス兵器とするか・・・作る対象物の違いしかない。
 即ち、ワクチン製造プラントは、全く何の改造や設備の変更も必要とせずに、そのままウイルス兵器製造工場として利用が可能なのだ。
 東大医科研の河岡先生は、強毒性インフルエンザを人工合成したことで世界中に知られている(http://www.jili.or.jp/kuraho/2006/inochi/web04/i_web04.html)。
 ウイルスは自然界で変異を繰り返すので、いずれは自然界でも強毒性インフルエンザが出現すると言われている。その時、強毒性インフルエンザ用のワクチンを迅速に準備するためには、強毒性インフルエンザウイルス研究が欠かせない。一方で、その同じ知識が、ウイルス兵器に利用され、バイオテロに利用される危険もある。
 東大医科研の河岡先生は、CIAの担当者らから接触を受けている事を、著書に度々記載している。研究の60日間停止・・・それが、世界のウイルス研究の方向性に、何らかの新しい動きをもたらすのだろうか?
 今の仕組みでは、研究者は、名誉の為に研究成果を先を争い、トップジャーナルへ論文掲載することを争う。サイエンスやネイチャーなどの、インパクトファクターの高い雑誌に掲載されるかどうか、それが研究者としての評価の分かれ目だ。だが、それらの雑誌は、中国や北朝鮮の兵器研究者も容易に手に入れられる。最新の知識を、テロリストが易々と手にする。そのような仕組み、研究者文化や評価システムが、由々しき事態を生むと懸念され始めたのだ。
 ではどうする?、大胆に予測すると、今後の世界では、良かれ悪しかれ、先端技術が、一部の集団に独占され、公開されない時代に進んでゆく。秘密が管理され、仲間内にしか技術が公開されない。中世のギルド社会の様に閉ざされた仕組みの中で、技術者は囲われ特権的な地位を得、秘密の知識開発に勤しむ。
 ・・・最高の知識が、一部の人々に握られ、支配力の源泉として独占されていた中世暗黒時代へ逆戻りか?
 だが、それを望む先進国の指導者や企業経営者は多いだろう。民主主義にも、情報公開の流れにも反する。だが、対テロの名目であれば、それもまた、実現可能だ。
 最高のテクノロジーが中国や韓国に漏れ過ぎている日本。かつての日本刀の技術のように、弟子にさえ技術の核心部分は教えない・・・そういう秘密主義が必要とされる時代に、入りつつあるのかもしれない。
 秘密と陰謀・・・それが恐らく、今の世界のパワーの源泉なのだ。河岡先生に対しては、研究を妨害するような動きもあるように見受けられる。河岡先生が研究を停止し、喜んでいるのは、秘密裏にウイルス兵器を研究している中国やアメリカではないだろうか。ウイルス研究に対しては、日本も大規模な予算を付け、バイオテロに対処できる仕組み作りが必要だ。この件で、世界で最も進んだ日本の強毒性インフルエンザウイルス研究が全面停止・・・そのような馬鹿げた事態に発展しない事を望む。
(河岡先生が登場されている動画)

 
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