アメリカが恐れた、日本のインフルエンザウイルス研究



『米政府が生物テロに悪用されるとの懸念から、一部の掲載削除を求めていた強毒性鳥インフルエンザウイルスの研究論文をめぐり、世界保健機関(WHO)は17日、ジュネーブで開かれた緊急会議で、論文の全面公開の公益性を認める一方、安全管理への配慮から全面公開は当面見送るべきだとの勧告をまとめた。
 論文は、東京大医科学研究所の河岡義裕教授らの研究チームなどが、H5N1型鳥インフルエンザウイルスの遺伝子変異によるヒトへの感染についてまとめたもの。米政府の科学諮問委員会(NSABB)が昨年末、論文の全面公開に反対し、世界の科学者39人が研究を自主停止している。
 河岡教授をはじめ22人の専門家らが参加したこの日の会議では、論文の取り扱いに関して、部分的な公開にとどまるよりも、時期が遅れてでも全面公開する方が公衆衛生上の利益になると指摘。ただ、全面公開の前には「研究をめぐる懸念にまず対処すべきだ」と米側の主張にも理解を示した。
 また、研究の自主停止については停止期間の延長を求める一方、将来のワクチン開発などのため、ウイルスの研究自体は継続すべきだとの見解で一致した。
 WHOでは今後、研究施設からのウイルスの流出防止など、管理・研究に関する安全基準づくりに向け議論を進めていく。
 ジュネーブからの報道によると、WHOの勧告について河岡教授は「妥当な結論だ」と評価している。(2012.2.18 msn産経ニュース)』(http://sankei.jp.msn.com/world/news/120218/erp12021820340009-n1.htm

 アメリカから兵器転用が可能だとして圧力を受け、日本の強毒性鳥インフルエンザウイルス研究が一時停止されていることを、以前、本ブログでも紹介した(http://d.hatena.ne.jp/NOFNOF/20120121/1327130262)。これについて、強毒性鳥インフルエンザウイルスの研究成果を記す論文を、当面、公開しない方針とした模様だ。
 人を救うための研究成果が、兵器にもなる。以前も述べたが、ウイルス兵器もウイルス生ワクチンも、全く同じ方法で作られる。しかし、一方は人を殺し、一方は人を救う。東大医科研の河岡先生は兵器研究をしていたわけではない。強毒性鳥インフルエンザウイルスを作り、それを弱毒化させれば、自然界に未だ登場していない強毒性鳥インフルエンザウイルスに対するワクチンとなる。
 もし、強毒性鳥インフルエンザが発生してからワクチンを作っていたのでは、ワクチンが完成するまで何カ月もかかり、それまでに感染爆発(パンデミック)がおこれば、手がつけられなくなる。だが、強毒性鳥インフルエンザが発生する前、それを人工的に作りワクチンを事前に準備しておけば、パンデミックを予防できる。つまり人類を救うための研究なのだ。これが、はからずも人類に対する脅威と見なされた。
 世界を破壊する手段をいつも探しているアメリカから見れば、これは紛れも無い大量虐殺兵器。世界にばらまき感染爆発を起こせば、数億人が死亡する。日本の科学者が高度なウイルス兵器を開発したことにアメリカは驚愕し、論文発表の停止を求めた・・・。
 かくして、強毒性鳥インフルエンザウイルスの研究は、世界の共同管理下に置かれることになってしまった。
 良かったのか、悪かったのか・・・これが、もしアメリカの研究であれば、研究を軍事機密とし、ウイルスとワクチンを独占することにしたはずだ・・・すでにそうしているのかもしれない。今回、日本の強毒性鳥インフルエンザウイルス研究について、研究停止期間の延長が求められることになった。アメリカは、日本が持つ世界を破壊できる力を、見過ごしに出来なかった。
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(リンク)
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