幽霊船の処分は簡単


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 先月、東日本大震災により津波に流されたとみられるイカ釣り漁船「漁運丸」が、カナダ沖で漂流しているところを発見され、話題になっていた。しかし約1年かけて漂流したこの船、持ち主も曳航に多額の費用がかかることから所有権を放棄し「幽霊船」状態になっていた。解決するにも費用がかかることから、日本の海上保安庁始め、対応について日本側関係者は頭を悩めていた。
 ところが、これについてアメリカの沿岸警備隊が撃沈処分することにし、速やかに処理を終えたと言う。

『米沿岸警備隊は5日、昨年の東日本大震災による津波で流され、アラスカ南東沖の海上を漂流していた無人の日本漁船を警備隊の艦船から機関砲で銃撃し、破壊・沈没処理した。
 この船は、北海道函館市の漁業会社が所有していた中型イカ釣り漁船。係留していた青森県八戸港から津波で流され、先月中旬、カナダ沖の太平洋上を漂流しているのを発見された。
 アラスカ州コディアックの沿岸警備隊基地の広報官によると、漁船は海流に乗って船舶の往来が多い米水域に入り、事故を招く可能性が高まったほか、所有権も放棄されていることから沈没処理することにした。(読売新聞4月6日)』(http://news.biglobe.ne.jp/international/0406/ym_120406_4356844932.html

 一件落着、めでたしめでたし・・・。
 と言いたいところだが、一つ気になる事がある。こんなに簡単に解決できたのに、漂流船について日本側で最初に報道されたとき、日本マスコミの報道が一様に対応が困難???、と言う感じの論調だった事である。
「持ち主が引き取りを拒否、回収するにも費用がかかる・・・管轄は一体どこの機関で、誰がやる・・・?」みたいな話で、永遠に解決付かず「幽霊船」になるよ、と言う様なもやもやした結論の記事(http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20120326-OHT1T00036.htm)。
 しかし、現実の解決策は「アメリカの沿岸警備隊が機関砲で射撃して撃沈」という簡単なものだった(http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE83500V20120406)。
 つまり、日本のマスコミが事前に報じていた解決法の不明確さと、実際の処分の手際の良さとのあまりの違いに、少し驚きを感じたのだ。
 広げて考えすぎかもしれないが、ここに何か、昨今の日本の混迷さの原因の一つを見た気がする。つまりコンプライアンスとか何とか、机上の法律や組織論談義に明け暮れて、もし現場に委ねて出来る事をやらせてしまえば直ちに終わる作業が、誰も何も決定できずに何カ月も放置されている。
 被災地のがれき処理、被曝した土地の活用、避難者の帰還・・・。
 今の日本人の頭の中には足りないものがある。アメリカ人なら直ちに出来るのに、日本人には発想すら出来ないようになっているもの。それは恐らく、戦後教育によってもたらされたもので、解決方法として日本人に全く教育されていないものなのだ。
 どんな時も、皆の合意を得てやりましょう・・・でも誰か一人反対し合意が得られなければ、永遠に出来ない。少数者の意見を大事にしましょう・・・法律を絶対に守りましょう・・・安全や環境に配慮・・・そんな話ばかりで、日本の中では何も物事が解決しない。現場は緊急事態で生活を脅かされている人々が無数に居るにも関わらず、様々な問題が幽霊船のように漂流し続けている。
 そんな幽霊船化した問題も、実は機関砲で破壊すれば済むくらいの、簡単に解決できる問題かも知れないのだ。


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