狂気、人体埋め込み爆弾



 体内に爆弾を埋め込んだ改造人間「人間爆弾テロリスト」による自爆テロ事件の詳細について報じていた記事があったので引用する。
『爆発の煙が収まると、部屋中にテロリストの死体の破片が飛び散っていた。
 09年8月のその夜、男が担っていた使命は、サウジアラビアのナエフ内相(現皇太子)の息子でテロ対策責任者のムハマド・ビン・ナエフ王子を殺害することだった。男はサウジ当局に投降の意向を伝え、王子と面会の機会を与えられれば、ほかの自爆テロ要員にも投降を呼び掛けると約束した。
 サウジ当局が男を隣国イエメンとの国境近くから首都リヤドに移送し、身体検査を行ったところ武器は見つからなかった。そこで男の要望どおり、南西部の都市ジッダにある王子の自宅で面会の場を設けた。
 2人が対面した瞬間、ホラー映画の一場面さながらに、男が爆発した。地元テレビ局の映像によると、吹き飛んだ男の腕がつり天井のタイルを粉砕し、床にははだしの足だけがぽつんと立っていた。白い家具には、おびただしい肉片がこびりついていた。
 王子は軽傷で済んだが、このとき、テロが新しい段階に突入したことは間違いない。この事件で、既存のセキュリティー装置ではほぼ検知不可能な爆発物が存在することが初めて確認されたのだ。4カ月後の同年12月には、テロリストがアムステルダムデトロイト行きの旅客機に、下着の中に仕込んだ爆発物を持ち込むことに成功している(この爆破テロは未遂に終わった)。
 そして今月に入って、新しいニュースが報じられた。サウジアラビアの二重スパイが自爆テロ志望者を装い、イエメンを拠点とするアルカイダイスラム武装勢力アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」に潜入。最新型の爆発物を持ち出してサウジアラビアの対テロ当局と米CIA(中央情報局)に提出し、テロを阻止したという。
■水際作戦だけでは限界
 しかし、これで脅威が消えたわけではない。この種の爆弾の製造者は、AQAPの爆弾専門家イブラヒム・アル・アシリだと言われている。サウジ王子暗殺を企てた自爆テロ犯は兄弟だ。
「アシリの手下がいったい何人いるのか分からない」と、最近までFBI(米連邦捜査局)のテロ対策部門の幹部だったドン・ボレッリは言う。「アシリが爆弾製造の技術を弟子たちに伝授していれば、たとえ米軍の無人爆撃機による掃討作戦でアシリが抹殺されても、爆弾作りは終わりにならない」
 しかもCIAは昨年6月までに、アシリが外科手術によって人間の体内に爆発物を埋め込む技術の実用化に近づいていると結論付けた。本誌の得た情報によると、米情報機関内でその技術に関する詳細な秘密報告書が回覧されたという。
「テロリストのおなかの贅肉に爆弾を埋め込むという話だった」と、この報告書を読んだ米政府筋は言う(機密情報を話題にしていることを理由に匿名を希望)。
 実際に人間の体内に爆発物を埋め込むことに成功したかどうかは明らかでないが、犬などを使った動物実験は行われているという。
 もっとも、この種の爆発物を実際に爆発させるのは簡単でない。「極めて特殊な点火システムが必要とされる」と、ボレッリは指摘する。「もし人間の体内に爆弾を埋め込むとすれば、体の外から爆発物に点火しなくてはならない」
 事実、09年8月のサウジ王子暗殺未遂事件では、爆発エネルギーのほとんどを自爆テロ犯の体が吸収した。同年12月の旅客機爆破未遂事件では、下着の中の爆弾がうまく着火しなかった。
 しかし、油断はできない。旅客機爆破未遂事件を機に、アメリカの多くの空港では搭乗前の身体検査用に全身透視スキャナーが導入されたが、外科手術で体に埋め込む爆発物の改良が進めば、検知は不可能になるだろう。
 こうした不安があるからこそ、オバマ政権は空港での水際作戦だけで満足せず、テロ組織掃討作戦に力を入れている。アフガニスタンパキスタン、イエメンで無人爆撃機による攻撃を行っている目的はここにある。
 アラビア半島における地上の戦いでは、ナエフ王子率いるサウジアラビアのテロ対策部門がカギを握る。電子機器を用いた監視技術ではアメリカが世界一だが、この地域における人的監視能力では、サウジ当局がアメリカのはるかに上を行く。
 実力は今回の二重スパイ作戦でも発揮された。「サウジ当局はイエメン国内に強力な情報収集網を持っていて、AQAPが欧米のパスポート保持者を探しているという情報を得た」と、湾岸研究センター(リヤド)の安全保障・防衛部門責任者を務めるムスタファ・アラニは言う。
 サウジ当局は、二重スパイを送り込む絶好のチャンスと考えた。そこで見つけたのが、EUのパスポートを持つ元イギリス居住者の男性だった。これにはイギリス政府が協力したようだ。
■テロ勢力はいまだ拡大中
「サウジ当局はその男性をスカウトして、イエメンに送り込んだ。すると期待どおり(AQAPが)食い付いた」と、アラニは言う。「アメリカ側も知らされていたが、これは全面的にサウジアラビア当局の作戦だった」
 成果は、最新型爆弾の入手だけではなかったようだ。5月6日にアメリカ軍がイエメンで無人爆撃機攻撃によりAQAP幹部のファハド・アル・クソを抹殺する上でも、この二重スパイのもたらした情報が役立った可能性がある。
 こうした成果も上がってはいるものの、テロの活動領域は縮小していない。むしろ、拡大し続けている。「ウサマ・ビンラディン抹殺から1年たって、問題が万事解決したかのようなムードも漂い始めているが、それはとんだ思い違いだ」と、ある米情報機関のベテラン職員は言う。「アルカイダ系の組織が安全に活動できる地域は広がっている」
 イエメンでAQAPの支配地域は過去最大に拡大しているし、ソマリア、マリ、ナイジェリア北部、アルジェリアリビアの一部などでもアルカイダ系の組織が頭をもたげ始めている。爆弾専門家のアシリは今も健在で、ほかのエキスパートを育成している。
「安心ムードに水を差すのは本意でないが」と、この情報機関職員は言う。「心配することが私の仕事である以上、状況を丹念に精査しないわけにいかない。そして精査すると、大きな不安を感じずにはいられなくなる」(ニューズウィーク日本版 6月20日)』(http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120620-00000302-newsweek-bus_all
 人体を爆弾にするという発想は、昔から物語の中で頻繁に描かれている。確か、フィリップ・K・ディックの小説にそんなのがあったし、古いアニメのザンボット3(知らないか・・)にも人間爆弾が登場する。手塚治虫の漫画にも、胃液で溶けて爆発する丸薬が登場する作品があった。
 生きた人間ではなくて、死体に爆弾を仕掛け、ブービートラップとして利用する方法は、ドイツ軍がイタリア戦線で実際に多用したそうだ。それからイラク戦争を描いた映画、ハート・ロッカーでは、殺害された子供に爆弾が埋め込まれている凄惨なシーンがあった。
 しかし、外科手術によって生きた人間の体内に爆発物を埋め込む・・・このようなグロテスクなことを実際に実行したケースは、あまり例が無いのではないか。自爆テロと言えば、911事件の際、欧米では神風特別攻撃隊と結び付けられて報じられた事を思い出す。人体埋込爆弾テロような、理解しがたい猟奇的な自爆テロまで行われるようになると、欧米社会で特攻隊の持つイメージまでもが更に悪化させられてしまわないかと危惧する。
 日本人でも、自爆テロと特攻隊を同一視することに抵抗感が無い人が結構居るように感じるが、両者は行為としても、精神性に於いても、そして目的に於いても、完全に別のものだ(http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2006/03/post_a56c.html)。
 市民を標的とした狂信者による犯罪行為としての自爆テロと、戦時下における志願者からなる軍事行動としての特攻隊は全く違う。しかし、その違いは充分に説明されないまま、誤解として今も放置されたままだ。もう少し、誤解を解くための活動を、国として国内外で積極的にするべきだ、と思うのは、私だけだろうか・・・。



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