戦後最低投票率で自民圧勝のワケ
今回の選挙、フタを開けてみれば自民党の圧勝に終わったが、驚くべき事に、投票率は戦後最低だったという。
『総務省のまとめによりますと、１６日に投票が行われた衆議院選挙の最終投票率は５９．３２％で、小選挙区比例代表並立制が導入された平成８年の選挙の５９．６５％を下回って、戦後、最も低くなりました。
総務省のまとめによりますと、今回の衆議院選挙で投票を行った人は、在外投票も含め６１６６万９４７３人で、最終投票率は５９．３２％でした。
これは、前回３年前の衆議院選挙よりも９．９６ポイント低く、小選挙区比例代表並立制が導入された平成８年の選挙の５９．６５％を下回って戦後、最も低くなりました。
都道府県別で、最も投票率が低かったのは高知県で５３．８９％、次いで青森県が５４．２０％、栃木県が５４．７１％などとなっています。
また、前回の選挙に比べて投票率が下がった割合が最も高かったのは富山県でマイナス１６．８６ポイント、次いで北海道がマイナス１４．９２ポイント、鹿児島県がマイナス１４．７１ポイントなどとなっています。
これについて総務省は「投票日当日の天候などさまざまな要因が総合的に考えられるので一概にコメントできないが、戦後最低の投票率となったのは残念だ」としています。（12月17日 ＮＨＫＮＥＷＳＷＥＢ）』（http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121217/k10014235231000.html）
いったい何が起こっていたのか？、一般に投票率が下がると、組合や労働団体など、組織票を大量動員できる党が有利と言われるが、今回はそうではなく自民党が勝った。
不思議な事がもう一つあり、選挙前から自民党圧勝との報道が大々的になされていたにも関わらず（http://news.nifty.com/cs/domestic/governmentdetail/dot-20121215-2012121500006/1.htm）、「アンダードッグ効果」（http://www.doctor-sumai.com/colum/002c2-074.html）が全く効かなかったように見える事だ。
そもそも、今回、投票率は、何故下がったのか。天候はそれほど悪くは無かった。首都圏では、この時期としては気温も高く、むしろ投票率が上がりそうな条件。にも拘らず、多数の有権者が投票を棄権した。
これはつまり、政党が民意を汲めていないという事だ。応援したい政党が無いから、投票に行かない。では、各政党が見ていなかった民意とは何か？
私はズバリ、原発推進派の民意を、全ての政党が無視したことが、低投票率につながったと思う。卒原発で惨敗した未来の党が、選挙前に行い閉鎖したアンケート・サイトでは、圧倒的多数が原発賛成であった（http://getnews.jp/archives/276614）。
にも拘らず、今回の選挙戦で、積極的に「原発推進し、電気料金下げます」と言って選挙戦を戦った政党が一つとして無いのだ。皆無、ゼロだ！
こんなのおかしいんだよ。選挙の争点は原発、とかマスコミが煽りながら、各政党の提示した選択肢は「直ちに原発無くす」か「ゆっくり原発無くす」の二択なんだから。これでは、原発推進派は、投票する政党が無い。で、原発推進派の人は、積極的な投票行動の意思を持てなくなってしまった。未来の党のアンケートを見ても、国民の半数以上は確実に原発推進と思われるから、それだけの人の投票意思に対して、提示された選択肢の無さがマイナスの影響を与えたのだ。
それでも投票へ行った原発推進派は、セカンド・チョイスとして、腰は引けているものの、原発現状維持に思える自民党や維新などへ、仕方なく投票したのかもしれない（それだけの理由じゃないけど、原発に限ればの話）。
そして今回の選挙でアンダードッグ効果が効かなかったのは、低投票率となった結果、浮動票が無かったからだ。浮動票が無いという事は、今回の選挙戦では風も吹いていなかったという事になる。自民党は無風選挙で勝ったのだ。低投票率における勝利の原則は組織票の動員。つまり、自民党は組織票で勝った。どこの組織を動員したのか？、これは言うまでも無く、我々ネット民の大量動員だ。
テレビや新聞マスコミが作り出す空気で動かされる浮動票、選挙の風は、今回の選挙では全く吹いていない。今回存在したのは、強い投票意思を持ったネットユーザーの組織票である。勿論、我が国ではネットによる選挙活動は禁止されているが、付け焼刃の選挙活動では無い、３年３ヶ月に渡るネット民の執念の地下活動が、今回の選挙結果の直接の原動力となった。
今回の選挙結果、これは、間違い無く我々ネット民の力でもぎ取ったものだ。それ以外に、今回の異例づくめの選挙結果の分析は、全く不可能である。
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