ヨウ素被曝?、NHK特番に思う



 NHKが「空白の初期被ばく〜消えたヨウ素131を追う〜」と題する番組を放送した。
福島第一原発事故の後、政府や東京電力は各種調査に基づき、一般住民に対する放射能の健康影響はほとんど無いと説明してきた。しかし見過ごされている被ばくがある。事故直後に大量放出された放射性物質ヨウ素131の影響だ。この放射性物質チェルノブイリ事故後に急増した子どもの甲状腺ガンとの因果関係が科学的に立証されている。ただし半減期8日と短時間で消滅するため、放出直後の被ばく回避措置、そしてヨウ素が消える前の正確な被ばく調査が重要となる。ところが今回はいずれも行われなかった。その結果として、被災地では事故から1年半を過ぎて乳幼児を抱えた親たちの間で不安が膨らみ続けている。
 被災者にとってヨウ素被ばくの目安を知っておくことは、今後のガン検診や予防対策に決定的な意味を持つ。住民の切実な要望にこたえようと、研究者がヨウ素被ばく量の実態に迫ろうとしている。また一方では、放射能測定や気象の専門家チームがセシウムではなくヨウ素放射能汚染地図を作成に挑んでいる。様々なアプローチによってヨウ素被ばくの空白が明らかになる中、汚染にさらされた福島県自治体は独自の健康対策に乗り出し始めた。番組では最新の科学技術によって失われた時をさかのぼる研究者たちの実証的な知見を総合し、初期被ばくの実態を解き明かす。(2013年1月12日 NHKスペシャル)』(http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0112/index.html

 この番組の基本的な報道姿勢に大いに疑問を持った。何か重要な情報があるのかと思い視聴したが、肝心な情報が伝えられていないのだ。確かに、放射性ヨウ素と「チェルノブイリ事故後に急増した子どもの甲状腺ガンとの因果関係が科学的に立証されている」というのは事実である。事実上、それがチェルノブイリの経験で得られた唯一の放射能による健康被害だからだ。だが、チェルノブイリと福島では、状況が大きく異なる事を、NHKの番組は述べていない。
 チェルノブイリのような内陸に住む人々は、もともと海産物をあまり食べないのでヨウ素が不足気味であり、ヨウ素があれば人体が好んで取り込み、甲状腺に集積しやすいのだ(http://www.nda.ac.jp/cc/users/furuya/1205.pdf)。日本人は普段から海産物を食べていてヨウ素が足りてるので、放射性ヨウ素を摂取してもほとんど吸収されない。
 そして、チェルノブイリでは、放射性ヨウ素による汚染牧草を食べた乳牛から搾乳した汚染ミルクが流通した事が、子供の被害を拡大した。だから、汚染ミルクの流通を1カ月停止すれば、ヨウ素の減衰は早いから甲状腺被曝線量の80%は除去できたはずとも指摘されているのだ。今回の事故後、放射性ヨウ素に汚染された食品の流通は早くから止められているので、そうした不安は排除されたはずなのに、その事実も全く解説されていない。
 つまり、この番組は、放射性ヨウ素に関し、チェルノブイリの経験を踏まえ、安心させるような情報は省いて、悪戯に不安を煽るような番組作りになっているのだ。何故NHKは事実を隠し、視聴者を怖がらせるのか?、こうしたNHKの報道姿勢には、悪意すら感じる。その意図は、間違い無く反原発であり、原発に対し現実的な姿勢を取る政府自民党に対する批判を意図した、政治的なものであると想像してしまう。
 あたかもNHKは、国民が不安を感じ、原発被害者だと思いこむ人が一人でも多くなる事を願っているかのようだ。そして、恐らくそれは、その通りなのだろう。



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