マリ軍事介入とアルジェ救出失敗



 マリへの軍事介入は正当化される、とオランド仏大統領は語った。
『フランスのオランド大統領は17日、イスラム武装勢力によるアルジェリア石油施設での人質拘束事件に関連し、フランスがマリに対して行っている軍事介入は正当化されると述べた。
 大統領は事件が「劇的な」展開を見せているようだとの認識を示したが、状況の正確な評価ができる情報をまだ持ち合わせていないとした。
 ただ「アルジェリアで起きていることは、マリに介入を行う私の決断が正当化されることを示す一段の証拠となった」と述べた。財界首脳らへのスピーチの冒頭で語った。
 また、ファビウス外相は自国のマリへの軍事介入について、欧州連合(EU)加盟国すべての支持を得ているとの認識を示した。
 外相は記者団に「すべての欧州諸国はマリに連帯し、すべての仲間は例外なくフランスの行動を支持している」と述べた。(2013年01月18日 ロイター)』(http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE90G01Q20130117
 フランスのマリ軍事介入については、イギリスも全面的に支持している(http://www.nikkei.com/article/DGXNASGV15001_V10C13A1000000/)。フィナンシャル・タイムズは、「欧州から飛行機でわずか数時間の距離にあるマリは、ジハード(聖戦)攻撃の拠点になりかねなかった。アフリカ地域や域外からイスラム過激派が集結した。彼らはコカインなど密輸取引の犯罪網と連携、その利益を戦闘の準備に用いた。これほど広大な過激派の支配領域は、西アフリカの安定性をむしばみ、回復途上の経済を脅か」す。だから、フランスが危険なイスラム勢力を打ち砕くのは当然と述べている。
 思い返すのは、イラク戦争の時、フランスが米英によるイラク攻撃を最後まで非難していた事だ。あの時、日本のマスコミは、米英の行動に賛同せず、敢然と平和を主張するフランスを、さすが文明国の鏡であるという調子で盛んに称賛していた。
 だが、今回はフランスが率先して軍事介入するのである。日本のマスコミは、フランスの行動をどう読み解くのだろうか?
 平和思想とか、文明国とか、そんな事では読み解けないのである。米英がイラク戦争を望んだのは、イラクの石油権益が欲しかったからである(http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/sekiyusihaimeguruirakusensou.htm)。それに対して、あの時フランスがイラク戦争に反対したのは、原子炉建設権益や武器貿易の権益を、フランスがイラクに持っていたからなのだ(http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/data/20100219_iraq_nogo.pdf)。
 今回、フランスがマリへ軍事介入するのは、マリの隣国、旧仏植民地のアルジェリアに残された仏権益を防衛するためだろう。戦前の日本が、朝鮮防衛の為、満州へ軍事介入したのと似た構図だ。
 日本のマスコミは建前論が好きで、欧米の軍事行動については、いつも世界平和の為とか、人道の為とか、あたかも、それらの国が人類の普遍的価値の実現の為に率先して行動しているかのように喧伝し、それに外れるものを国家のエゴとして批判する。だが、それは本質を著しく歪めた、希望的な物の味方に過ぎない事に気づかなければならない。
 どの国も、基本的にエゴでしか動いていない。エゴを押し通す口実として、体裁を気にかけた国が、世界平和の為とか、人道の為とか、尤もらしい美しい理由を付けて、汚い行動を誤魔化すことがあるだけだ。
 日本のマスコミもそろそろ大人になり、世界平和とか、人道とか、中学生の作文みたいな論調でニュースを伝えるのは止めにして、この国は、これをすると何の得があるから、こうしているのだ云々・・・国家の意図の裏側、ドロドロしたエゴの部分を明確に取り出し、ハッキリに伝えるように努めるべきだ。
 日本のマスコミは、大人の報道ができるようにならなければならない。そうすれば、大東亜戦争で何故、アメリカが日本を無理やり戦争に引きづり込んだのか、とか、中国が南京事件のウソを拡大したり、韓国が慰安婦問題を蒸し返し続けるのは何故なのか、とか明快にすっきり説明できるのだから。
 日本マスコミは、学生新聞みたいな新聞、お花畑女子学生気分のテレビニュース、滑稽なワイドショーレベルの、真実をオブラートに包んだ脳内妄想報道から、そろそろ卒業しないと。
 この記事を書いている時、アルジェリアの人質救出作戦が強行され、どうやら失敗らしい観測が流れて来た。日本政府は救出作戦の中止を申し入れたようだが(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130118-00000008-asahi-pol)、無視されたらしい。想像するに、フランスのマリ軍事介入に影響が及ばぬよう、旧宗主国フランスがアルジェリアに事件の強行解決を命じたのだろう(人質を拉致したアルカイダは、マリ軍事介入の停止を求めていた)。
 これはフランスの国益であり、日本人人質の命は、その為に二の次にされたのだ。当ブログでも書いたが、日本としてイスラムを敵にする理由は全く無い(http://d.hatena.ne.jp/NOFNOF/20130116/1358357189)。つまりは、フランスのエゴが、日本の国益を完全に粉砕した事は誰が見ても分かるのだが、そのようにハッキリ論調するマスコミは皆無なのである。




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