日本車を売りたければ核武装しろ！
米自動車大手が安倍政権を批判し、日本に対する対抗措置をオバマ大統領に要請しているという。
『米自動車大手3社(ビッグスリー)で構成する米自動車政策会議(AAPC)は17日、過度な円高の是正を掲げる安倍新政権に対抗措置を講じるよう、オバマ大統領に要請した。
AAPCのマット・ブラント会長は声明で、日本の「為替操作」により「米国の雇用創出が一段と難しくなる」と指摘。
「再び政権を奪還した自民党は［近隣窮乏化政策］を復活させるつもりだ。日本経済の回復支援に向け、貿易相手国を犠牲にし、円安を通じ貿易をゆがめようとしている」として安倍政権を批判した。
その上で「そのような政策は受け入れ難く、対抗策を持って対処することを明確にするよう、オバマ政権に要請する」とした。
ブラント会長は「製品は確かに他の地域でも製造できる。しかし、われわれの願いは当然、米国で生産し世界に輸出することだ」とも述べた。
現時点で米財務省からのコメントは出ていない。
ブラント会長は、米国の金融政策は意図的にドル安を目指したものではないが、日本は円安誘導を目指していると指摘。こうした政策により、日本の自動車業界は「とてつもない過剰生産能力」を維持し、米自動車業界が行ってきたような痛みを伴うリストラを回避できると批判した。（2013年1月18日 IBTimes）』（http://jp.ibtimes.com/articles/39605/20130118/1358460161.htm）
米ビッグスリー（ゼネラルモーターズ、フォードモーター、クライスラー）と言えば、危機に陥るたびに、日本の自動車産業が犠牲となり、助けて来た経緯がある。例えば、１９８０年代の日米貿易摩擦華やかなりし頃、アメリカの大型乗用車は世界の流行から取り残され、日本の小型自動車に圧倒された。
アメリカは、その原因を日本の不公正な貿易慣行にあるとし、米自動車産業の努力不足を棚に上げ、日本を攻撃した。仕方なしに、日本は、米市場に対する理不尽な輸出自主規制を何年も継続し、ビッグスリーの回復を助けたのである（http://www.res.otaru-uc.ac.jp/~hanada/sankousiryou/jouyoushajishukisei.pdf）。
だがバブル崩壊等で日本の自動車産業が苦境に陥った時に、ビッグスリーが日本の自動車産業を助ける事は、勿論無かった。日本の自動車産業は、独自の努力で身売りしたり、技術を売ったり、提携したりして生き延びる他、道が無かったのである。
日米貿易摩擦交渉の経緯をたどると、日本側の譲歩や敗北が目に付き、痛々しい限りだ。しかし今、貿易摩擦と言えば、米中間の摩擦の方が経済的規模も大きくなっている。それでは、中国も貿易摩擦交渉では、アメリカに譲歩しているのだろうか？
ご存知の通り、そんな事は全く無い。
例えば、意図的に安く設定されている中国元の切り上げ問題にしても、中国は米国に簡単に譲歩せず、逆に堂々と自己の主張をアメリカにぶつけている（http://www.sangakuken.jp/archives/393）。それに対しアメリカも手を焼き、中国だけが一方的に譲歩する姿は全く見られない。
では、この差、米国との貿易摩擦に対する日中の態度の格差はどこから来るか？、日本は卑屈、一方の中国は、居丈高なのだ。この謎を解くカギとして、当ブログで良く言う、世界は経済優先では無く、軍事優先であるという私の論理が出てくる。
日本は軍事的にアメリカに依存しているから、アメリカに強く言えない。一方、中国は、核を持ち、軍事的に独立しているから、アメリカに言いたい事をハッキリ言える。軍事的な優劣により、経済が左右される。つまりは、軍事優先で経済の動きが決定していると言えるのだ。
今、米ビッグスリーが忌々しい事を日本に言っている。だが、では、日本が米国に対し不満を何か言えるのか？、このところの尖閣情勢では、米国の力無しに、日本単独で絶対に中国に対抗しえないのは分かっている。つまり、言いたい事を言って、日本から米国と仲違いする事は出来ないのである。ここで既に、日本は米国に対して、圧倒的に弱い立場になってしまっているのだ。
結局、米ビッグスリーを怪物にしている原因は、日本側の軍事的弱さにある。独自核、攻撃戦力を全く持たず、戦術的な防衛力（自衛隊）を保持するだけで、安全保障を米国に丸々依存している日本。この状況を継続する限り、日本の国益は、米国や中国へ延々と垂れ流され続けるのだ。
だから、当ブログで、ずっと主張している。
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