行き過ぎた放射性物質基準値



 岩手県内の露地栽培シイタケが、国際的に見て異常なほどの行き過ぎた放射性セシウムの国内基準値のせいで、出荷制限や風評被害を受けているようだ。
『「もう続けられない」。福島第1原発事故による放射能汚染で、岩手県内の露地栽培シイタケ産地がかつてない困難に直面している。放射性セシウムが国基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超過し出荷制限が続く県南部は生産継続を断念する動きがみられ、影響は深刻。県北部など出荷可能な地域も風評被害による価格下落に苦しむ。干しシイタケの県全体の生産量は激減しており、全国上位を誇った「岩手ブランド」は危機に瀕している。
 国による出荷制限が続く一関市。旧西磐井地区の約80戸で組織するいわて南農協椎茸(しいたけ)生産部会の千葉孝夫部会長は昨春、約40年続け、シイタケ栽培に不可欠な植菌を見送った。
 同地区は、稲作を主体にシイタケ生産する農家が多い。「今年も多くの人が植菌しないだろう。安全なものを作ることができ、正当な価格で販売できなければ次世代に引き継げない」と肩を落とす。
 一方、出荷可能な県北などの干しシイタケの市場平均価格は原発事故前の5分の1の約千円(1キログラム)まで下落。生産者は東京電力に賠償請求した上で、県などの融資を活用した経営を強いられている。
 全農園芸農産部椎茸事務所(埼玉県)は2012年の本県の干しシイタケ生産量を約110トンと推計。全国5位だった11年の約215トン(林野庁統計)からほぼ半減する見込みだ。市場は西日本産が増え、本県の立場は大きく揺らぐ。(2013/01/21 岩手日報)』(http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20130121_9

 こうした被害に遭われたシイタケ農家の方は、誠にお気の毒である。しかしながら、この苦境の原因は、原発事故そのものというより、放射能についての無知と、啓蒙活動により無知な状況を変えようとしない国が生んだ、二次被害であると言った方が良いかも知れない。最近、日経で「放射線と発がん、日本が知るべき国連の結論」と題する記事が紹介された。そこには次の様に書かれている。
『世界的に認められた食品中の放射能レベルは1キログラムあたり1000ベクレル(米国の場合は同1200ベクレル/キログラム)だ。大部分はセシウム137とストロンチウム90が占めるが、こうした基準値はIAEAやUNSCEARのような組織が数十年にわたる研究にもとづいて設定している。福島の事故後、国民の放射能への不安が高まっていることがメディアで報じられたため、日本政府は不安を静めようと基準値を従来の半分に抑えた。だが不安が静まらなかったため、基準をさらに引き下げて国際基準の10分の1にした。
 放射能は思っていた以上に危険である、国内の食品は有毒だと伝えれば、国民が安心すると思ったのだろうか。彼らは正気だったのか?
 この結果、国民は日々口にしている食品にさらに不安になるという意図しない影響が生じ、安全な食品は危険なカテゴリーに入れられ、食品輸出は抑制され、経済的・社会的損害はさらに広がった。
 通常であれば安全な食品が、突然、出荷制限の対象になった。青森県産の野生キノコ類は、1キロあたり120ベクレルの放射性セシウムが検出されたため出荷が制限された。このセシウムは福島事故とは一切関係がなく、世界中の人々が食べている食品に含まれているのと同じタイプであり、事故以前はまったく問題にされなかった。(2013/1/17 日本経済新聞)』(http://www.nikkei.com/article/DGXZZO50651160W3A110C1000000/?df=3

 つまり、世界で認められた放射性物質の食品基準値より、日本では10倍も厳しい基準値を設定しているが、そのせいで、事故以前から放射性セシウムを含んでいるシイタケまで、出荷が制限されてしまったのだ。
 言うまでも無く、自然界には福島の事故前から放射性物質がある。それらの放射能までゼロにすることは難しいのだが、基準が厳し過ぎるので、もとからあるバックグラウンドの放射性物質まで減らさないと、基準をパスしないような非現実的な状況が生まれてくる。それが岩手や青森のシイタケと言うわけだ。
 生物は、そもそも、強い放射線が存在する状況で進化し、生きて来た。低線量の放射線は、むしろ生物にとって有用とする考え方もある(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%9F%E3%82%B7%E3%82%B9)。
 天然シイタケは、自然状態で放射性セシウムを特異的に濃縮することが知られているが(http://www.nirs.go.jp/report/nirs_news/9712/hik2p.html)、恐らくそれは、シイタケ自身の生存に必要だからなのではないか。
 事故前に食べていたシイタケにも放射性セシウムがあったことは、あまり知らないままシイタケを食べて来たわけだが、これまでシイタケで病気になった話は聞いた事が無い。むしろ体に良いから、人は好んでシイタケを食べ続けて来たのではないだろうか。
 毒にも薬にもなるという言い方があるが、量の問題であって、放射性物質と言っても、全く無いと、逆に人間の健康にとって不都合になるメカニズムがあるような気もする。
 世界中のシイタケに、普通にある1キログラム当たり100ベクレル前後の放射性セシウム。世界基準から見て1/10の放射性セシウムなのだから、普通に食べても問題は無いはずだ。これを流通させることが出来ない、今の日本の放射性セシウムの国内基準値は厳し過ぎるだろう。



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