グローバル企業は株式非公開で、経営陣は同族で固めろ!



 米デル・コンピュータが近く身売りで合意するという。デル・モデルと呼ばれる程、革新的なビジネスモデルを作り出した企業に何があったのか。
『米パソコンメーカー大手のデル<DELL.O>は、身売りに向けて創業者のマイケル・デル最高経営責任者(CEO)と買収ファンドのシルバー・レイク・パートナーズが率いる企業連合(コンソーシアム)と近く合意する見通しで、全体の評価額は240億ドルを超える可能性がある。関係筋が1日明らかにした。
 2人の関係筋によると、コンソーシアムは1株当たり13─14ドルでデルの株式を取得し同社を非公開化する方向で交渉している。この価格を基に試算したデルの株式評価は226億─244億ドルとなる。
 米国株式市場1日午後の取引でデルは2.5%高の13.57ドル。(ロイター 2月2日)』(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130202-00000022-reut-bus_all

 デル社は、注文を受けてから生産(組み立て)を行う。受注生産方式では、顧客から直接注文を取るため、製品在庫がいらない。このため、デル社の在庫の回転率はたいへん高い。在庫を持たないことが、価格競争上たいへん有利なのである。それによりユーザは常に陳腐化していない最新のスペックの安いパソコンをデル社から購入できる。米国デル・コンピュータ会長兼CEOのマイケル・デル氏は、「直販・受注生産方式は無駄を削ぎ落とした究極の製造業のモデルである」と主張している(http://www.f.waseda.jp/negoro/SupplyChain/Dell_model.html)。
 そんな「究極の製造業のモデル」が身売りするのである。一体何があったのか。調べてみると、背景にはデル社が株式の非公開化を目論んでいる事にあるようだ(http://news.mynavi.jp/articles/2013/01/18/dell/index.html)。株式を上場していれば、株主らからの声に従わねばならず、思うような戦略を描けない場合がある。非上場化で株主の影響力を排除し、意思決定をスムーズにする狙いがある。詳しくは不明だが、デルは、その為の非上場化の手段として、身売りという形式をとるという事らしい。
 その昔、多くの日本企業では株の持ち合いという制度があり、企業同士が株式を持ち合い、株主の影響が会社経営に及ばないようになっていた。それにより、目先の利益を気にする株主の考えを排除し、会社は長期的な経営戦略に集中できるのである。ところが、経済のグローバル化により、この日本的な仕組みは散々な批判にあった。欧米投資家の主張によれば、株式は売り買いされる物でなければならず、企業は自由に売買される商品でなければならないと言うのだ。
 けれども、欧米の企業家達も、会社が株主の支配下にある事が最も好ましいと思っている訳ではないのである(http://www.dir.co.jp/library/column/031217.html)。世界企業には、株式を非公開にしている所も多い。内部留保が多く市場から資金調達する必要が無いのであれば、企業が株式上場するメリットなど殆ど無いかも知れない(http://manabow.com/qa/going_private.html)。
 しかも株式を上場すれば、上場基準などを巡り、証券会社などの影響も受けざるを得ない。国際金融資本の支配下にある証券会社から、様々なグローバル・スタンダード、不必要なルールが押しつけられる事になる。人事評価の仕組みとか、役員の人事構成とか、コンプライアンスとか、それらが日本的経営(もはや死語に近いが、私はまだ、それにグローバルに通用する普遍的な価値があると思っている http://d.hatena.ne.jp/NOFNOF/20120616/1339818802)を破壊する要因になる。そして国際金融資本(http://surouninja.seesaa.net/article/231842714.html)による日本企業弱体化、日本企業解体・商品化の流れを受け入れる事になるのだ。
 話は変わるが最近は、グローバル人材とか、ダイバシティ人材、グローバル人材マネジメントとか流行っているようだが、こういう流れも、日本企業の無国籍化、乗っ取りを画策する運動のように思われる。日本の大企業はバカだから、流れに直ぐ乗ってしまい、経営者にまで外国人を入れる会社がある。そのお雇い外国人をどこまで信用できるのだ?
 グローバル・ビジネスとは権謀術数の世界である。
 見知らぬ商慣行に支配された場所、そこは生き馬の目を抜くような世界だ。もしも、そこに出て行くならば、出て行く方は、打算で動かない心の底から一致協力できるような経営体制を持っていないと戦い抜けない。傭兵隊長は金で寝返る。最低でも、経営陣は全員日本人で固めなければならない。外国人を使っていいとしても、影響の少ない組織の末端部分だけである。
 グローバル・ビジネスの経営者は、人事に関して我儘でなければならない。時代に逆行するように聞こえるかも知れないが、地縁、血縁、縁故採用OKである。それにより信頼できる人材で固められるなら、出自の分からない人材よりずっと良い。それは欧米の組織では常識である。アメリカ大統領の周りを固めるのは地縁、血縁、縁故により選ばれる人物だ。米国では、何よりもコネが一番影響力を持つ(http://chingaku.exblog.jp/3336581/)。グローバル社会とは、赤の他人を信じられない社会だからだ。
 我儘な組織作りをするには、上場企業では無理がある。勿論、監視を受けない分、非上場企業は乱脈経営に陥る危険もあるが、そこは経営者の力量である。殿様一族とそれを守る強い家臣団、それを信頼する領民、そうした結び付きの強い家族・同族的共同体(この家族・同族の定義は色々あって、必ずしも古い定義の家族・同族である必要はなく、IT企業に見られるようなインフォーマルな強い結び付きからなる、親友や友達同士のような関係も勿論含んでいる)からなる会社が最も強いのである。貴方が経営者であり、そうした会社を作ろう(若しくは維持する)と思うなら、絶対に株式上場を選択するべきではない。
 因みに、家族・同族的共同体からなる会社に入社しても、最初、暗黙のルールが色々とある事を感じ、居心地は良くないかも知れない。その家族・同族の一員として認められるまで時間がかかるし、相性もあるからだ。しかし、それはそれ、貴方が社員として働く場合でも会社を選ぶ権利はあるから、よく見極めて、会社を選べばよいし、或いは独立自尊の道を模索しても良いのだから。




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