半島のファニーウォー



 米韓演習に反発して休戦協定を全面白紙化すると北朝鮮が発表した。
北朝鮮軍最高司令部は5日、スポークスマン声明を出し、米韓合同軍事演習などを非難した上で、「重大措置を取る」として、米韓演習「キー・リゾルブ」が始まる11日から朝鮮戦争の休戦協定の効力を全面白紙化すると表明した。さらに、北朝鮮軍の板門店代表部の活動を中止し、米朝間の軍事電話も遮断するとした。朝鮮中央通信が伝えた。
 休戦協定は事実上死文化しており、過去にも北朝鮮軍が「義務履行放棄」を表明したことはあるが、「全面白紙化」と宣言するのは初めてとみられる。
 声明はまた、「米帝核兵器まで振り回し盾突き、かいらい(韓国)が先制攻撃までうんぬんしている以上、多様化されたわれわれ式精密核攻撃手段で応える。(ボタンを)押せば発射され、浴びれば火の海になる」と強調。「休戦協定の拘束を外れ、任意の時期、任意の対象に対して制限なく、思うままに精密攻撃を加え、祖国統一の大業を前倒しする」と威嚇した。
 米韓両軍は、1日から4月末まで野外機動訓練「フォール・イーグル」を、3月11〜21日に指揮系統を確認する訓練「キー・リゾルブ」を実施。声明は、演習に反発すると同時に、緊張を高め、北朝鮮の核実験を受けた国連安全保障理事会の制裁決議採択に向けた動きをけん制する意図があるとみられる。(時事通信 3月5日)』(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130305-00000191-jij-kr

 ファニーウォーとは、いかさま戦争(Funny war)とか、まやかし戦争(Phoney War)の意味で、一般的には第二次世界の大戦初期における西部戦線の状態を呼称する時に使われている言葉だ(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%BE%E3%82%84%E3%81%8B%E3%81%97%E6%88%A6%E4%BA%89)。
 1939年9月、ポーランド侵攻したドイツに対して英仏が宣戦布告したものの、1940年5月にドイツ軍がフランス侵攻作戦を開始するまで奇妙な平穏があった、その時期を指してファニーウォーと言っているのである。
 韓国と北朝鮮との間で行われた朝鮮戦争については、停戦協定が結ばれていただけで終結していない。つまり、ある種のファニーウォーがずっと続いているのだ。
 その状態での休戦協定全面白紙化の発表。
 理屈で言えば、朝鮮戦争は再開されたという事になる。だが、一発の銃声も響かない。ファニーウォーは、まだ続いている。
 国際的な約束が破棄されたにも関わらず、軍事行動が開始されないのは、力の均衡が成り立っているからだ。そこにあるのは、法による平穏では無く、力による平穏である。戦闘を開始しても、一方的な勝利は難しい、どちらもそう思っているから、戦闘が開始されない。
 もし、一方が軍備を放棄し、力の不均衡が作り出されれば、戦闘は直ちに再開される。
 北は休戦協定を全面白紙化し、緊張を高めた。その背後にあるのは核とミサイルの力である。それで、北が本当にやりたい事は一体何か?
 恐らくは朝鮮戦争を終わらせ、講和条約を結ぶ交渉をしたいのだろう。賠償金の支払いや領土の割譲を受けることなく、対等、もしくは有利な条件で講和すること。オバマとか北の策略に嵌まりそうだが、大丈夫かな?
 大東亜戦争末期、もし日本にも核があったならポツダム宣言を受諾することもなく、対等な条件で終戦交渉を進められた筈だ。東京裁判もなく、憲法はそのまま、陸海軍は保持され、米軍も日本国土に駐留せず、完全な形で国体は護持される。大日本帝国の領土も、開戦前から大きく損なわれずに平和の実現ができただろう。
 平和を乱すのは力だが、平和を齎すもの、それもまた力である。支配に屈従する事により、平和が齎らされる訳では無い。
 下記の動画は、2005年に公開された、第一次世界大戦に於けるクリスマス休戦を描くフランス映画「戦場のアリア」の予告編です。

 




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