在日と婚約解消した市議の受難



 祖父が在日朝鮮人である女性との「婚約解消」が原因で訴えられた市議に対し、市議会が辞職勧告決議を行うという。
兵庫県宝塚市議会総務常任委員会は5日、議員の資質や倫理観を欠くとして、男性議員(34)の辞職などを求める請願を全会一致で採択した。
 19日の市議会最終日に本会議での請願採択に続き、議員辞職勧告が決議される見通し。
 男性議員は、交際相手の祖父が在日韓国人という理由で婚約を解消したとして、損害賠償請求訴訟を起こされている。請願書では、その行為は結婚を真剣に考えていた女性への悪質な人権侵害だ、としている。
 男性議員は取材に対し、「自分が政治家として保守的な主張をすることで、相手の周囲に迷惑がかかると判断し、結婚を見送った。人権侵害だとは思っていない。婚約が成立していたかについても裁判で争っている」と話した。(2013年3月6日 読売新聞)』(http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130306-OYT1T00543.htm

 この件、在日朝鮮人を親族に持つ女性が、婚約相手だった男性市議に対し、祖父が在日韓国人だと告げたところ、婚約を破棄されたとして、大阪市の会社員の女性(28)が市議を相手取り、550万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こしたのが発端であった(http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-4947.html)。
 事実関係を見れば、市議の男性は、相手の素性の全てを知らなかった訳だから、新事実を知った時点で婚約破棄するのも社会通念上、それ程おかしな事では無いように思う。これで辞職勧告を決議するとは、兵庫県宝塚市議会は何を考えてるんだ!
 ただ、婚約というのも口頭契約みたいなものだから、契約を破ったという点に関し、一定の賠償は認められるのかもしれない。しかし、人権侵害と言うのは言い過ぎで、権利の乱用だ!
 何故ならば、この市議にも人権があるからだ。一族の中に外国籍の血統を入れたくないという個人の意思は認められるべきだ。そうした意識を持つ事自体が、人権侵害になり許されない、とでも言うのだろうか?
 例えばペットや家畜には血統証というものがあり、特徴を持つ血統に属する個体には高い経済的価値が付与される。人間に関しては、特定の血統を重視する考え方を持ってはいけないのだろうか?
 例えば、ご皇室が敬われるのは万世一系の皇統に属するからだ。人間に関しては、血統を重視してはいけないという考え方は、ご皇室の否定にも繋がりかねない重大なものだ。
 人間は、様々な条件でセレクションされる。血筋や家柄の他、学歴とか容姿とか趣味とか考え方、能力。それだって、遺伝的な影響に左右されたり、生育環境の影響で、どうしようもなかったりする宿命的なものばかりである。その結果、私なんか大変悔しい思いをする事が幾度もあるけれど、それは仕方がない事でしょう。
 条件を理由に人を選ぶ事は、人権侵害なのか?
 もし条件で人を選ぶ事が人権侵害だとすれば、結婚相手を選んだり、或いは会社が人を選んだりする時、全て抽選か何かで選ばなければいけない事になる。フィリップ・K・ディックの小説に、最高指導者を抽選で選ぶという未来社会を描いた「偶然世界」というSF作品があるけど、そんなのを思い出す。
 最近、会社が人を採用する時、家族や親族について聞いたり、結婚の予定とかプライベートな事を聞いてはいけない事になっているらしい。でも、差別反対・平等の名の下で、そうした政策が推進される「人権主義」の今の世の中の風潮には、どうも変な物を感じる。
 何故なら、いずれにしろ、人を選ぶ時は、何かを理由にして選ばねばならないのだ。
 その時に、血統とか家柄、国籍とか、人種とか家庭環境など理由で選んだら人権侵害だ・・・とか文句付けて、人を選ぶ時のパラメーターを限定する社会って何なんだろうね(それは、マイナスじゃなくてプラスの方も落としているということ・・・つまり、それによってさ、最適なマッチングを妨げる事になるのだ)。
 人を選ぶ自由が制限されている社会。それこそ「人を選ぶ時の条件を自分で決める人権(自由と権利)」が侵害されている社会じゃないのか?
 もっと細かく言うと、人権尊重を理由にして人を選ぶ時の条件を制限している(条件の選定に関する重み付けを個人の自由に任せるのではなく恣意的に操作している)今の社会とは「最適なマッチングを実現する為に自己に属する多様な条件が十全に考慮された上で自分が選ばれるという人権(自由と権利)」をも、著しく妨げられた社会ということだ。正しく選ぶ自由も、正しく選ばれる権利も、どちらも制限され、狭められている。
 それは人権が守られた社会と言うより、「人権」の名の下に、人権が奪われた人権ファシズムの社会だ。そうした社会は、そこに生きる人、全てを不幸にする。
 左翼的な考えに従えば、この男性市議は、女性の人権を尊重して、自分の望まない結婚をすべきだったのか?、人権を守る為に嫌な結婚であっても無理矢理しなければならないとしたら、例えば左翼が徹底的に反対して来た、家制度の為に望まない結婚をした、封建時代の個人の立場と変わらないじゃないか。今回の事件の女性が主張するような目的に人権が乱用されるなら、個人の結婚に対する自由意思を、「人権」が抑圧するという奇妙な事になるのだ。
 男性市議が心から望む結婚で無ければ、いくら女性の主張する「人権」を守るため結婚を選択していたとしても、幸せな結婚には絶対にならないだろう。
 我々の選択の自由と権利を守るため、男性市議の自由と人権について尊重されるべきだ!
 兵庫県宝塚市議会は辞職勧告決議をやめろ!
 




<偶然世界     文庫>



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