変人を生かす企業が勝つ


↑↑↑始めにクリックよろしくお願いします!
 ビジネスで成功するには、創造力ある変人社員をどれだけ生かせるかにかかっている。
『■抑圧された創造力は組織の癌になる
 気分屋で移り気で変人で傲慢?多分そうだろう。でも、彼らを追い出すわけにはいかない。実際、創造力豊かな社員から最高の成果を引き出せるようにならないかぎり、あなたの会社は遅かれ早かれ破産を申請するはめになるだろう。逆に、人当たりがよく管理しやすい者だけを採用し、昇進させていたのでは、あなたの会社はせいぜいよくて二流止まりになるだろう。
 抑圧された創造力は組織の癌になる。あらゆる組織がイノベーションを大切にしていると主張するが、創造力豊かな社員を満足させるために、少なくとも彼らを建設的に行動させるために必要なことを積極的に行っている組織はほとんどない。
 では、クリエーティブな社員の心をとらえ、彼らを会社に引き留めておく秘訣は何だろう。
 まず、子どもの失敗をほめる親のように、創造力豊かな社員に無条件の支持を与え、彼らがばかげたことをして失敗するのを奨励しよう。イノベーションは不確実性やリスクや実験から生まれる。成功するとわかっていることは、クリエーティブではない。創造力豊かな人々は生来、実験精神に富んでいるのだから、自由に実験させ、遊ばせよう。もちろんコストがともなうが、イノベーションを行わないことに比べれば安いものだ。
■サポートできる同僚を配置せよ
 創造力豊かな社員の扱い方として最悪なのは、彼らを彼ら自身と同じタイプの人間と一緒に働かせることだ。そのようなことをしたら、アイデアを奪い合ったり、延々と議論を続けたり、無視し合ったりするだろう。
 とはいえ骨の髄まで平凡な、型にはまった社員はクリエーティブな人間を理解せず衝突するだろう。「ジャーナル・オブ・アプライドサイコロジー」誌に発表された最近の調査では、多様なメンバーで構成され、しかも個々のメンバーが他のメンバーの考えを喜んで受け入れるチームが最も創造的な成果をあげるという結果が出ている。
 したがって創造力豊かな社員の周りには、彼らのアイデアに異を唱えるには凡庸すぎるが、彼らと協働するだけの創造力は持ち合わせている同僚を配置してサポートさせることだ。この同僚たちが、細かい点や平凡な実行プロセスに注意を払い、黒子役を果たす。
■物事を強要してはならない
 また、生来のイノベーターはそうでない人と比べて、未来を構想する傾向が強いことが、私の調査で明らかになっている。彼らはより大きな全体像を思い描き、物事がなぜ重要なのかを説明できなくても理解できる。この能力の負の面として、彼らは意味のない仕事には魅力を感じない。この「すべてかゼロか」の姿勢は、芸術家肌の人間の双極性気質の表れだ。彼らは創造力を刺激されたときにのみ、すばらしい仕事をする。そして創造力は意味によって刺激される。
 小説家のジョン・アーヴィングは「私が書くことに一生懸命になれるのは、それが私にとって仕事ではないからだ」と言った。一方で、おもしろい仕事をすることにはさほど関心がない社員がいる。彼らは毎日会社に行って帰るだけでよしとしており、外的報酬によって動く。平凡な仕事や意味のない仕事はこうした社員に割り当てるべきだ。
 創造性は通常、より大きな自由と柔軟性を与えられたとき高められる。堅固な仕組みや秩序や予測可能性を好む人はクリエーティブな人間ではないだろう。だが人はみな、自然発生的で予測不可能な状況に置かれると、普段より大きな創造性を発揮する可能性が高い。習慣に頼ることができないからだ。
 創造力豊かな社員に何かを強要してはならない。プロセスや仕組みに無理やり従わせようとしてはいけないのだ。彼らが会社以外の場所で就業時間以外の時間に働くことを認めよう。どこにいるのか、何をしているのか、それをどのような方法でやるのかといった質問をしてはならない。多くの一流アスリートが小さいチームから大きいチームに移籍すると力を発揮できなくなるのはこのためであり、ベンチャー企業の創業者が、自分のつくった会社が大手に買収された後もその会社の経営を任されることを通常喜ばないのはこのためだ。
■なぜ高い給料は逆効果になるのか?
 過去20年の間に、心理学者たちはいわゆる過剰正当化効果(高い外的報酬が内発的関心を抑圧することでパフォーマンスを損なう作用)について、説得力のある証拠を提供してきた。とりわけ、2つの大規模なメタ分析では、本質的に意味のある仕事の場合(クリエーティブな仕事はこのカテゴリーに入る)、外的報酬は関心を低下させるという結果が出た。だがプラスのフィードバックは、それが心からのものと認識されるかぎり内発的関心を損なわない。
 要するに自分の好きなことをすることに対して、たくさんの報酬を与えられれば与えられるほど、人はそれを好きではなくなるということだ。イノベーションの才を持つ人々は金銭によって動くわけではない。20カ国の5万人以上のマネジャーを含む、われわれの調査データは、想像力や探究心が旺盛な人であるほど、商業的ニーズより人からの称賛や純然たる科学的好奇心によって動く傾向が強いことをはっきり示している。
 また、クリエーティブな人間は、たとえそれが非生産的でも、絶え間ない変化を求めるように生まれついている。たとえ道に迷っても、毎日違う道を通って職場に行く。レストランでは、気に入った料理でも、決して毎回オーダーしない。創造力豊かな人間は複雑さを好み、複雑なことを単純にするのではなく逆に単純なことを複雑にするのが好きだ。1つの問題に対する答えを探すのではなく、いくつもの答えやいくつもの問題を見つけようとする。驚きを与え続けること、少なくとも彼らの生活をより予測しにくくするだけの混沌を彼らが生み出すのを容認することがきわめて重要だ。
■マネジメント力は期待するな
 T・S・エリオットが言ったように「この世のいざこざのほとんどは、重要な存在になりたがる人間によって引き起こされる」。いざこざを起こすのは、他の人々が彼らを評価しないからだ。公正さとはみんなを同じように扱うことではなく、各人にそれぞれが受けるに値する扱いを与えることを言う。あらゆる組織に潜在力の高い社員と低い社員がいるが、それを見分けられるのは有能なマネジャーだけだ。マネジャーが社員の潜在的創造力をきちんと評価できなければ、創造力豊かな社員はもっと高く評価してくれていると感じる会社に転職するだろう。
 最後に、創造力豊かな部下をうまく管理できる組織においても、彼らに他人の管理をさせるべきではない。生来のイノベーターがリーダーシップのスキルに恵まれていることはめったにない。スティーブ・ジョブズは人より目新しい道具と付き合うほうが得意だったし、グーグルのほとんどの技術者は経営管理にはまったく関心がない。スタートアップ企業の成長がすぐに横ばいになる理由の1つは、創業者が経営を担い続ける傾向があるからだ。
 彼らはマーク・ザッカーバーグを見習うべきだ。ザッカーバーグは自分のリーダーシップの不足を補うためにシェリル・サンドバーグを招じ入れた。企業内イノベーターは有能なリーダーになるのを妨げる心理的特性の多くを備えていると言われているが、このお決まりの見方は調査によって裏づけられている。彼らは反抗的で、非社交的で、自己中心的で、往々にして共感能力が低く他者の幸福を気づかうことができない。だが、うまく管理すれば、彼らの産み出すものはわれわれみんなを幸せにしてくれるのだ。(PRESIDENT Online 2013年11月20日)』(http://president.jp/articles/-/11199 http://president.jp/articles/-/11199?page=2 http://president.jp/articles/-/11199?page=3 http://president.jp/articles/-/11199?page=4

 この記事、標準化やコミュニケーション力重視の風潮で、最近の日本企業が完全に忘れた事を指摘していると思ったので引用してみた。前にも、似たような視点で記事を扱った事があるが(http://d.hatena.ne.jp/NOFNOF/20121010/1349856408)、日本の発展の為には、重要な視点だと思うのだ。
 しかし、もしも飛び抜けた能力を持つ変人であるなら、会社のような組織は、そもそも体に合わないかも知れない。
 芸術家や作家は、やはり、基本、一人で働くのが一番やりやすい。能力ある変人なのに、どうしても組織で働かないといけないのは、例えば企業の研究者のような場合である(或いは、自己の持つ能力と、それを生かす場がある事に気付いていない変人の場合)。
 私は、どちらかと言えば変人ぽい人間なので分かるのだが、最近の日本企業は、変人に理解があるとは言えない。それで多くの日本企業から研究者や職人が逃げ出し、ノウハウが漏れてしまった面もあると思う。
 日本企業としては、どうやって組織の枠に入りきらない変人を引きとめ、活用できるかが今後益々重要となる。一方、能力のある変人からすれば、今の企業は、どこも窮屈に見える事だろう。
 多くの変人は飛び抜けた才能を確かに持っている。難しいのは、その才能を生かせる場が無い場合、その変人は、ただの変人でしかなくなる事。従って企業の必要とする特異能力と、その人の持つ特異能力とのマッチングが必要だ。更に、組織文化との適合性も必要。そうなると、更にハードルは高くなる。
 そう考えると、変人を生かせるのは、ある程度規模が大きく、様々な事業をしていて、組織に余裕のある大企業か、或いは、変人の特殊能力にベッタリ頼りきったビジネスをする小企業かの、いずれかだろう。
 中堅規模の会社が変人を使いこなすのは難しいが、それを成功させる会社は、或いは飛躍的に業績を伸ばせるかもしれない。




<江戸は世界最高の知的社会 異才、天才、奇人、変人     新書>



<異能力を結集し、強い日本に!、クリック宜しくお願いします。 m(_ _)m>

人気ブログランキングへ



(リンク)
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-5275.html