驚くべき冥王星の新地形!


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 冥王星に接近した米無人探査機が、うろこ模様のある「氷の平原」を撮影した。比較的新しい時代に出来た地形と見られる。
『米航空宇宙局(NASA)は18日、無人探査機ニューホライズンズが捉えた冥王星の平原の画像を公開した。一酸化炭素(CO)などの氷で覆われ、浅い谷によって区切られた魚のうろこのような不規則な模様の地形が広がっている。
 この平原は、冥王星のハート形に見える部分の中にあり、1億年前より新しい時期にできたとみられる。人類初の人工衛星にちなんで「スプートニク平原」と名付けられた。最接近前に7万7千キロの距離から撮影された。
 模様は、地球上で泥が乾く際にひびが入るのに似た現象か、COやメタンの氷で覆われた表面が内部の熱によって動いたことでできた可能性があるという。
 また、冥王星を取り巻く大気の分析で、窒素を主成分とする大気が上空1600キロまで存在することが分かった。
 探査機が冥王星を通過して遠ざかる際の観測で、太陽の反対側に数万キロ先まで大気の成分がプラズマとなって分布していた。重力が小さい冥王星では、大気が太陽風によって流され、宇宙空間に失われていると判明した。(2015/7/18 日本経済新聞)』(http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG18H3E_Y5A710C1000000/



 これは本当に驚いた! 


 何が驚くって、冥王星のノルゲイ山脈やスプートニク平原にクレーターの無い広い地形が広がっていたことだ。これがどうして驚くことなのかと言えば、地質活動が最近まで活発に続いていることを示しているからだ。
 冥王星は地球の月より小さい天体だ(http://www.astroarts.co.jp/news/2006/02/082003-ub313_nao182/index-j.shtml)。
 通常、小さな天体は内部の熱を保持しにくい。例えば地球より小さい水星や火星では、天体形成時の熱が保持できず冷えてしまい地質活動は不活発だ。だから冥王星のように、地球の月よりも小さな天体では、地質活動が不活発だろうと予測していた。
 でもそうではなかった!、だからびっくりなのである。
 尤も、大きさが小さくても、活発に活動する天体もある。
 例えば木星の衛星イオには幾つもの火山があり、地質活動が活発だ。イオが何故、地質活動を継続できたか?、それはイオの軌道が木星の近くにあり、しかも若干歪んでいるため、潮汐力によって天体内部にストレスが掛り摩擦熱を生じているからだ(http://www.fnorio.com/0144modification_by_tidal_force/modification_by_tidal_force.html)。
 想像だが、冥王星の場合も似たような理由が推測できる。
 冥王星の公転軌道は大きく歪んでいる(http://www91.sakura.ne.jp/~kay2/pluto/pluto3.htm)。 そして冥王星カロンという名の巨大な衛星を持っている(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%A5%E7%8E%8B%E6%98%9F%E3%81%AE%E8%A1%9B%E6%98%9F)。
 恐らくその二つの理由で、冥王星潮汐力で絶えずストレスが掛けられていて、地質活動を維持できる程度の熱が発生している・・・このように考えられるのではないか?


 もう一つびっくりしたのは冥王星に大気があること。これも不思議だ。地球の月には大気が無い(正確には放射性物質の崩壊によって供給される極薄のアルゴン大気があるけど)。普通、小さな天体は重力が小さく、拡散する気体分子を留置できない。
 ではどうして冥王星には窒素の大気層があるのか?
 冥王星は太陽から遠く、地表の温度が極めて低い(−230〜−215℃)。このため地球と異なり、恐らく冥王星の窒素の大部分が固体や液体の状態で存在する(窒素の融点は−210℃)。固体や液体は、気体のように拡散しないから低重力で保持される。それが地質活動により温められ、定期的に温泉のように絶えず噴気しているのではないか。こうした現象により、拡散して冥王星の外に出て行く窒素と冥王星の内部から噴気する窒素ガスが定常状態にあって、窒素大気が存在できるのではないだろうか。
 いずれにしろ、今頃多くの天文学者が論文を書こうと必死に計算しているだろうから、真相は、そのうち明らかにされるだろう。
 次々と齎される新しい事実は、知的好奇心を大きく刺激してくれる。
 日本にも無人探査機を送る技術はある。アメリカに負けず、どんどん天体の探査を進めるべきだ。そうした活動は、次の時代の宇宙覇権を確保することと、国家の威信を世界に知らしめることに役立つのだから。


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