劣化する日本の現場力


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 福岡で大規模な道路陥没が起きた。地下鉄工事に絡むもので3度目だという。教訓は生かせなかった。
『福岡市博多区のJR博多駅前で起きた大規模な道路陥没は、同市の地下鉄七隈線延伸工事が原因とみられる。市は地下の岩盤内を掘り進むトンネル掘削作業中、岩盤の上にある砂の層に含まれる地下水が流れ込んだ「想定外の事故」としているが、七隈線の工事現場では過去2回、道路陥没が起きている。市は事前に行った現場周辺の地質調査で危険箇所は見つけきれておらず、再発防止策が十分だったのかも問われそうだ。
■ナトム工法
 市交通局によると、現場周辺は大型ドリルで掘り進む「シールド工法」ではなく、より慎重に壁面にコンクリートを吹き付けながら掘削を繰り返す「ナトム工法」で施工していた。
 事故があった工区(195メートル)は2013年12月に着工。来年内に列車2本が通れる幅まで拡幅を終える計画で、工事は24時間態勢で行われていた。
 事故は突然起きた。9人の作業員が地下25メートル付近で拡幅工事をしていた8日午前5時、トンネル上部から土砂と水が噴き出し、間もなくごう音とともに地面が崩落した。
■アリの一穴
 「『アリの一穴』から漏れたのではないか」。市交通局担当者は8日の会見で肩を落とした。
 トンネルは固い岩盤内で掘り進むが、岩盤の上にある砂と粘土の層には、地下水が多く含まれる。ただ、市は10年から、事故が起きた工区195メートルの計6カ所で地質調査を実施。地下水の影響を受けずに工事できる地層だと結論付けていたという。
 岩盤の一部に砂の層が入り込んでいる部分があり、そこから岩盤層にあるトンネル内に大量の土砂が流入。地中が空洞化し、大規模な陥没を引き起こした−。市はこうしたメカニズムで事故が起きたと推定する。わずかな地質の異変を発見できていれば、事故を防げた可能性はある。
 九州大大学院の陳光斉教授(建設システム工学)は「260万〜430万年前にできたこの岩盤層は厚くない」と指摘。「もし危険箇所を事前に把握できていれば、薬剤注入などで補強したり、掘削方法を変えたりと、対策は取れたのではないか」と話す。
■「究明」強調
 同地下鉄の工事では、過去にも周辺道路の陥没事故が起きている。14年10月27日には、同市博多区祇園町市道が長さ5メートル、幅4メートル、深さ4メートルにわたり陥没。延伸工事に伴う雨水管の移設作業中、立て坑内に土砂が流入した。
 ただし、原因究明には現在も至っていない。工事中に地下に空洞ができたのが原因とみられるが、市は「原因究明には再び構造物を壊さないといけない」と釈明する。
 00年6月20日には同市中央区薬院3丁目の市道が長さ10メートル、幅5メートル、深さ8メートル陥没。立て坑の防壁の鋼材が設計よりも傾斜して埋め込まれる施工不良などの影響で穴が開いたという。
 教訓を生かせなかったのか。記者会見した高島宗一郎市長は「工事に何らかの瑕疵(かし)がなかったのか、どこに問題があったのかを最高の知見で調査し、一刻も早く究明したい」と語った。(2016/11/09 西日本新聞朝刊)』(http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/287826
 3回同じ失敗をしたら、ちょっとまずいよ。


 何か根本的な問題があると考えるべきだ。そもそも、福岡市が予算をケチってシールド工法ではなく、ナトム工法と呼ばれるトンネル掘削法を採用したことが問題の発生源なのだが、だとしても事故が一度あった時点で慎重になり、改善策の取りようがある筈だ。それが全く機能していないところに、深刻な日本の現場力の劣化を感じる。
 これは、先日の東京デザインウィークでの火事の原因にも通じる共通点があると、何となく思うね(偏差値37の日本工業大学が「東京デザインウィーク」で木屑と投光器を使用!作品の火事で5歳児死亡)。
 要するに、現場で作業する人の質の低下と気の緩み、そして現場管理のいい加減さ。そういうものが背景にあるのではないだろうか?
 工場でも工事現場でも、ちょっと昔の現場監督は大変に厳しい鬼軍曹タイプの人が多かった。どうしてそうなっているのか、組織を管理する人に聞いたことがある。そうしたところ「いい加減な仕事をすると人が死ぬからだ」と明確に答えられた。なるほど、そうか、と納得したものだ。
 ようするに、いい加減な仕事だと人が死ぬのだ。だから現場に厳しい指導が必要だった。別に嫌がらせや虐めでは無いのである。人を死なせないように、厳しく指導していたのだ。最近の人達は、それが分かっているだろうか?



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