悪質、中国産原料のロンダリング！

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　風邪薬原料について、輸入した中国製を自社製品と偽り、山本化学工業が業務停止処分を受けた。
『医薬品原料メーカーの山本化学工業（和歌山市）が風邪薬に使われる解熱鎮痛剤アセトアミノフェンを製薬会社に出荷する際、別に仕入れた中国製品を無届けで自社製品に混ぜて水増ししていたことが２２日、厚生労働省への取材で分かった。中国製のアセトアミノフェンは品質面に問題はなかったが、同社は全製品の出荷を自粛。和歌山県が近く業務停止命令を出す見通し。
　厚労省によると、同省が情報提供を受け、５月に医薬品医療機器法に基づき和歌山県と立ち入り調査を実施した。会社側は「注文が相次いで製造能力を超えてしまい、数年前から中国製を輸入するようになった。国産数ロットにつき中国製１ロットを混ぜて出荷していた」と説明したという。
　山本化学は社員約３０人規模だが、アセトアミノフェンの製造では国内シェアの８割を占め、少なくとも数十社に出荷している。（2017/06/22　時事ドットコム）』（http://www.jiji.com/jc/article?k=2017062200503&g=soc）
　これは凶悪！


　やった事はウナギの国産品偽装と同じ。安い中国産ウナギを買ってきて、国産ウナギだと偽り高く売る様な事。しかし、それを事もあろうに、厳しい製造管理が義務付けられた医薬品原料でやったのだから、些細な事件として扱っては駄目だ！
　中国原料を、自社で製造した医薬原料だと偽るロンダリング行為。最悪の場合、健康被害に繋がる大変悪質な事件だと言わねばならない。
　医薬品というのは、あらゆる製品の中で最も厳しい製造基準の下で作られ、そして厚生労働省から製造承認を受けて初めて販売が許される特別なものだ。製造の全工程に於いて、どのように作られたかが完璧に証明されていなければならない。その基準は医薬品原料にも及ぶ。製造の全行程が承認を受けて、その通りに製造しなければ、販売してはいけないのが医薬品である。
　昨年、化血研が自社のワクチンについて製造方法を認可を得ないまま変えた事が大問題となり厳しい制裁を受けた（化血研にまた行政処分、日本脳炎ワクチンでも不正製造　厚労省「製造販売許可取り消しも」）。
　本件は化血研よりも悪質だ！


　何故なら、化血研は製造方法を多少変えた事が問題にされたとは言え、どのように変えたかは社内で把握されていた。そして最終製品の品質は維持していた。
　ところが、山本化学工業は製造方法を変えるどころの話では無く、どこでどのように作られたか全く証明できない中国製アセトアミノフェンを輸入して、自社のアセトアミノフェンと混在させて出荷していたのである。
　中国製のアセトアミノフェンなんて、どんな不純物があるか全く分からないし、品質だってバラつきがあるだろう。少なくともＧＭＰ製造基準に準拠したような方法では絶対に作っていないと断言できる。だから安いのである。日本では食品や医薬品では利用が認められない溶媒や触媒などを利用して製造されているかもしれない（中国割り箸製造工場の恐ろしい実態！割り箸使用は本当に危ない！）。人の健康に直結する医薬品原料に関して、こうした事は絶対あってはならない。
　この事件は既に海外にも報じられている（Yamamoto Chemical drug mixed with cheaper China-sourced stocks, dodging ministry oversight）。単に山本化学工業一社の問題では無く、日本の医薬品業界全体が、信用できるのかどうか世界から不信と疑惑の目で見られる事になるのである。
　信頼回復の為に、山本化学工業には厳しい処分が必要である。

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