米軍による人体実験



 米軍での話。以下引用です。
『米国ピッツバーグ在住の退役軍人ティム・ジョセフ氏(63)は、陸軍兵だった1968年にメリーランド州エッジウッドにある兵器庫に配属された。当時18歳だったジョセフ氏は、現地に到着するや否やその場所に違和感を覚えた。
「軍事基地というより、病院のようだった」とジョセフ氏は振り返る。ジョセフ氏は、週休3日という好条件に惹かれ、エッジウッドでの2カ月間の任務に志願した。
「楽な任務だった。仕事の内容は、陸軍のジャケット、軍服、武器などのテストを行うというもので、薬物や化学薬品についての説明は一切なかった」とジョセフ氏は語る。
 しかし、現地に到着した朝、ジョセフ氏が事務手続きに行くと、基地の職員らが実験用の白衣を着ていたため、ジョセフ氏は疑念を抱いた。そして職員から次のように言われたという。
「君はこの任務に志願したのだから、任務を果たさなくてはならない。さもないと刑務所行きだ。君はどっちみちベトナムに行くことになるんだ」
 1955年から1975年まで、エッジウッドの軍事研究者らは薬物や化学物質の試験に動物だけでなく人体も使っていた。試験対象は、VXガスやサリンのような致死性の神経ガスからBZのような身体能力を奪う物質まで多岐にわたった。
 冷戦時代に行われたこの極秘研究プログラムは、当初、ソ連からの化学・生物攻撃に対する防御手段の発見が目的だった。当時ソ連は「心理・化学」戦争の分野で米国のはるか先を行っていると考えられていた。しかし、研究対象は攻撃用の化学兵器にまで拡大された。
 現在、エッジウッド兵器庫は「エッジウッド化学生物センター」に名称が変わっている。同施設の広報担当者によると、1969年に当時のニクソン大統領が攻撃用化学兵器の研究を打ち切り、以後、米軍は化学物質の研究に人体を使用しなくなったという。
 試験は1968年1月1日、ジョセフ氏が2カ月間の任務のためにエッジウッドに到着したとほぼ同時に開始された。「注射の時もあれば、錠剤の時もあった」とジョセフ氏は語る。ジョセフ氏は当時、自分が何の薬を飲んでいるのか分からなかったという。ジョセフ氏が職員に危険はないか尋ねると、彼らは「ここには有害なものは何もない」と言ってジョゼフ氏を安心させたという。
 しかし、ジョセフ氏はエッジウッドでの2カ月間に摂取した化学物質は有害だったと確信しており、それらによって引き起こされた健康被害でジョセフ氏は40年経過した今も苦しみ続けている。
 1968年2月、エッジウッドでの任務が終了する数日前、ジョセフ氏はパーキンソン病に似た震えが起こり、数日間入院した。その症状は成人後も断続的に発症しているという。ジョセフ氏は50代半ばに進行性神経疾患のパーキンソン病と診断され、早期退職を余儀なくされた。月2000ドルの医療費は自腹を切った。
 ジョセフ氏はエッジウッドでの勤務中に化学物質にさらされたことを理由に退役軍人手当の受給を申請したが、退役軍人省は40%の障害と認定し、手当の一部しか支給しなかった。ジョセフ氏の元に届いた支給通知にはエッジウッドについて一切書かれていなかった。
 ジョセフ氏は今も、震えや関節のしびれ、食べ物をうまく飲み込めないなどの症状があるという。ジョセフ氏は、これらの症状はすべてエッジウッドでの任務が原因と考え、エッジウッドで勤務していた退役軍人らが退役軍人省に対して医療手当の支給を求めて起こした集団訴訟に参加している。
 同訴訟の弁護団長を務めるゴードン・エルスパマー氏は、ジョセフ氏が入手したエッジウッドでの診療記録を見直した。その診療記録には、1968年2月1日にジョセフ氏は「有機リン中毒」の治療のためフェニルアセトン(P2P)を投与されたと書かれている。そのためエルスパマー氏は、ジョセフ氏は恐らく、サリンなどの神経ガスを注射されたのではないかと見ている。
 また1968年2月19日に始まった実験中、ジョセフ氏は抗精神病薬プロリキシンの服用後にパーキンソン病のような震えが起こったため、エッジウッドの医師らは、ジョセフ氏に2種類のパーキンソン病治療薬を与えたという。エルスパマー氏は、ジョセフ氏のパーキンソン病とエッジウッドでジョセフ氏に投与された薬物との間に関連があると見ている。
 集団訴訟では、医療手当の支給に加え、国防省と退役軍人省に対し、エッジウッドで勤務したすべての退役軍人を探し出し、彼らに投与された化学物質の詳細と今後起こりうる健康への影響を明らかにするよう求めている。
 しかし、約7000人にいるエッジウッドの退役軍人のうち米政府がこれまでに連絡を取った人はごくわずかだ。また、退役軍人省はエッジウッド関連の健康被害の訴えの大半を却下してきたという。ジョセフ氏もエッジウッドでの任務に関連する医療給付は一切受けていない。
 この件について、国防省は声明で、化学・生物物質にさらされたすべての退役軍人の特定を優先的に行っており、退役軍人省はこれまでに数千人の退役軍人に連絡を取り、無料の診察を提供したとしている。(2012.03.17 CNN)』(http://www.cnn.co.jp/usa/30005941.html

 米軍の歴史の中には、結構、こういう人体実験の話がある。古くは1900年頃、米軍軍医がキューバで行った黄熱病の原因を調べる人体実験(http://www.microbes.jp/hiwa/Japanese/history/report2.html)。
 1940年代、米兵の梅毒や淋病を防ぐ目的で、グアテマラ人に対して行われた大規模なペニシリンの人体実験(http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:PZ0SPBUplqMJ:d.hatena.ne.jp/religious/20120124+http://d.hatena.ne.jp/religious/20120124&cd=1&hl=ja&ct=clnk)。これは最近、オバマ大統領も謝罪した。
 1945年頃、米軍の原爆開発計画、マンハッタン計画に関連して行われたプルトニウムの毒性を調べる人体実験(http://homepage.mac.com/ehara_gen/jealous_gay/plutonium_experiment.html)。
 1950年代、米国海軍の掃海艇が、細菌戦の研究のためサンフランシスコ沿岸へセラチア菌をばら撒いた(http://www10.ocn.ne.jp/~fukasawa/colonizingbacteria.html)。
 1960年代、CIAが行ったマインドコントロールを目的とするMKウルトラ計画(http://ja.wikipedia.org/wiki/MK%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A9%E8%A8%88%E7%94%BB)。他にも色々あって、話題には全く事欠かない(http://homepage.mac.com/ehara_gen/jealous_gay/human_experiments.html)。
 ただ、こうした話は、良くも悪くもアメリカだから表に出て来て、批判されたり反省もするのであって、ロシアや中国、その他の国では、もっと酷い話が極秘扱いされてるであろうことは想像に難くない。
 しかし何故、アメリカの様な民主国家ですら、繰り返し人体実験が行われるのだろう?
 多くの国では、基本的人権ですら守るべきものと考えられていない。例えば安全保障より人権を優先する国家は、脅威に対し何も出来ず、結果として多くの犠牲を出してしまう。だから人権を守れる余裕があるときのみ、人権に配慮するのであって、例えば国家が存立を賭けた戦いをしている最中、人権への配慮を副次的なものとするのは当然の倫理と考えられている。大抵の国では、そのくらいドライであって、それが正義に反しているとは考えられていないように感じる。
 それに対し、日本における正義の観念は、もう少し感情的、情緒的、道徳的なものと結びついていると思う。普通の日本人の感覚の中には、怜悧に人体実験を肯定する合理性は全く無いであろう(戦前も、戦後もそうだ、しかし最近の若い日本人は分からない・・・因みに731部隊の話は事実を大きく脚色して伝えられている http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-3123.html)。
 日本人の「正義」の観念は、世界標準にしても良いくらい、洗練されたものであったと思う。それくらい、世界標準とずれていた(例えば、ロシア人や中国人のマインドであれば人体実験など必要により幾らでもやれる)。
 つまり・・・世界標準としての正義の観念は、もう少しレベルが低い。日本人はそれを良く自覚していないと思う。だから、世界標準である低レベルの「正義」を学ぶため、サンデルの本が日本で売れたりする皮肉な事態が発生するのだ。



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http://whisper-voice.tracisum.com/?eid=195
http://ochimusya.at.webry.info/201203/article_7.html
http://nihonnococoro.at.webry.info/201203/article_13.html
http://dendrodium.blog15.fc2.com/blog-entry-1208.html