長野県教委有識者「朝練廃止」提言の疑問


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 長野県教育委員会の設置した有識者委員会は、中学生部活動に関し「睡眠不足、成長に弊害」があるとして「朝練廃止」を求めた。
『■県教委、年内にも指針
 中学校での運動部の練習が生徒に与える負担を検討するため長野県教委が設置した有識者委員会が13日、「朝練習は睡眠不足を招き成長に弊害がある」として原則やめるべきだとする報告書をまとめた。これを基に、県教委は年内にも朝練の原則禁止を求める指針を各中学校へ示す見通し。
 指針に強制力はないが、伊藤学司県教育長は同日、「効率的な部活動を行うきっかけにしてほしい」と述べた。文部科学省は、全国の自治体で同様の動きは把握していないとしている。
 報告書は、県内の96%の中学校で朝練が行われ、3割の運動部で1日3時間以上練習していると指摘。県教委の調査では、朝練に参加する生徒のうち2割は午前6時半前に自宅を出ており、3割は「睡眠が不十分」「疲れて授業に集中できない」と回答していた。
 県教委によると、大部分の学校で年間を通し朝練をしているのは、全国でも長野が突出しているという。
 報告書はまた、運動部の加入率が全国平均より7%低いとし、「過度な活動や疲労の蓄積からスポーツ障害やドロップアウト燃え尽き症候群に陥る可能性も否定できない」と分析。
 その上で、勝利至上主義に偏らない生徒の自発的な活動を促す指導を求め、(1)週に2日は休養に充てる(2)平日の練習は放課後の2時間程度が適切(3)休日の練習は午前、午後にわたらない(4)朝練は原則として行わない(5)部活動の延長として行われる社会体育活動は見直す−ことを提言した。(2013.11.14 msn産経ニュース)』(http://sankei.jp.msn.com/life/news/131114/edc13111409050002-n1.htm

 この長野県教育委員会有識者の決定について、私は違和感を感じた。
 そもそも、この決定が出た背景には、朝練をしている中学校の数が、全国平均で見て長野県が突出しているという事情があったようだ。だが、全国平均より朝練比率が突出していたら、何故駄目なのか?
 それについて、有識者委員会は、睡眠不足で成長に弊害があるからとしている。しかし、平成20年の17歳の都道府県別平均身長データによれば、長野県男子の平均身長は170.7cmで全国平均170.7cmと同じ、長野県の女子は158.2cmで全国平均158.1cmより0.1cm高いという結果である(http://prefectural-ranking.seesaa.net/article/279847365.html)。少なくとも、身長の点で、全国平均から見て問題があるようには思われない。
 また、有識者らは、疲れて授業に集中できないというアンケート結果を示し、学習に弊害があるかのように述べている。これについて、今年の全国学力テスト(対象は中学生と小学生)の結果は、偏差値で言えば長野県は真ん中くらいで、極端に良くも悪くも無い(http://todo-ran.com/t/kiji/12090)。朝練は影響しているのか?
 有識者らは、運動部の加入率が全国平均より7%低い事を問題視している。これは全国平均並みでなければ駄目なのだろうか。文化部では駄目?、仮に問題だとして、それは朝練の結果なのだろうか。統計データの読み方は難しく、その背景に真の相関が存在しているのかどうかは、容易に断言できないはずだ。
 長野県は全国に比べ、気温が低く冬は天候も良くない。運動部加入率の低さは寒さや天候が原因じゃないの?、そして長野県には豪雪地帯もあり、ウインタースポーツが盛んである。例えば道具代や、練習施設が限られる点が運動部の加入率の低さを招いている可能性は無いのか?
 教育委員会有識者らの判断に疑問を感じるのは、朝練が多い事で明確な問題が発生しているという根拠が、今一つ不明なところだ。まるで、全国平均より朝練が多い事それ自体が問題だと言っているみたいだ。
 朝練は、負の影響が大きいのだろうか?、私の知る限り、昔は、そういう考えは無かったんだけど。例えば若い時に精神を鍛えるとか、困難に打ち勝つとか、プラスの側面は考慮しないのか?、多くの寺や修験道の修行なら、早朝から始めるのが基本である。
 朝練ではないけれど、私が小学生の頃は、毎朝、朝礼の前に分列行進して整然と国旗の掲揚をしていたが、今はそういう事は、何故かやらなくなったようだ。中学校では昼休みに、毎日、全員学校の周りを走らされた。その際、真冬でも男子は上半身裸という決まりだった。そうした事は、多分、学校の裁量でやっていたのだろう。
 県でやっている事が、全国平均と異なるから全国並みにすべきという考え方はおかしいと思う。データから見た長野県の特徴として、朝練の多さだけで無く、長寿県だというのもある。平成20年の段階で、男性は都道府県別平均寿命で1位であり、女性も毎年上位に入っている(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E9%87%8E%E7%9C%8C)。長寿も長野県民の生活習慣や県民性が反映したものだと思うが、やはり全国平均並みに、短くすべきなのだろうか?




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